構築事例：Googleメール送信者ガイドラインに対応したDMARC設定の導入

Open Smart Design

今回は、ケーブルテレビ局様の保守を行っているメールサーバに、DMARCの設定を行った事例です。お客様は、Google社や米国Yahoo!社が公開しているメール送信者ガイドラインの対応に向けた、メールサーバの設定追加を検討していました。

お客様が悩まれていた課題: Googleのメール送信者ガイドラインの対応方法がわからない; メール送信者ガイドラインにより、迷惑メールに分類されてしまう可能性がある; 2月からガイドラインが適用になり、早急な対応が求められている

+導入企業プロフィール: ★
導入企業業種

情報・通信

ユーザー規模

30,000人

利用OS

AlmaLinux 9

導入月

2024年1月

デージーネットが提案した「Googleメール送信者ガイドラインに対応したDMARC設定の導入」

アイコン男性

スパムメール対策ソフトウェアのRspamdを活用

2024年2月より適用されたGoogleの「メール送信者のガイドライン」や、2024年第1四半期より適用された米国Yahoo!のガイドラインに対応するため、既に構築中であったメールサーバにSPF、DKIM、DMARCの設定が必要でした。そこで、デージーネットでは「メール送信者のガイドライン」に対応するため、構築中のメールサーバに追加でRspamdを導入することを提案しました。

Rspamdとは、オープンソースソフトウェアのスパムメール対策システムです。Rspamdは、統計分析や正規表現マッチング等のメール本文検査によるspam評価だけでなく、様々な手法でspamを検知することができます。その他に、DMARCモジュールを活用して、DKIM/SPF/DMARC/ARCなどの送信ドメイン認証にも対応しています。

今回は、メールの送受信に対してRspamdの設定を行いました。インターネットを経由してメールを送信する時にDKIM署名を付与し、受信の際には、DKIMやDMARCの検証が行われるような構成を提案しました。

Rspamd構成イメージ

切替作業のための事前設定を提案

メールシステムの切替による既存サービスへの影響を最小限に抑えるため、新しいPostfixを事前に設定しておき、メールの経路を変えて導入を行う方法を提案しました。

導入にあたっての工夫

導入にあたっては、以下の2点を工夫しました。

導入の方法を図で説明

導入前、事前の設定作業、導入時の3つの観点で、メールの経路がどのように変わっていくのか、図を書いて説明を行いました。送信ドメイン認証の中の技術がそれぞれどのように対応しているのか、わかりやすくなるように図でを用いて説明することで、メール送信者ガイドラインの対応方法がわからないという不安の解消を行いました。

Rspamdの機能をシンプルに

Rspamdには、DKIM署名や署名のチェック以外にも様々な機能があることがメリットです。しかし、機能が豊富なため使いにくくなってしまうことを避けるため、今回のお客様のご要望を実現する処理のみを行うようにRspamdの設定を調整しました。

導入後の結果

アイコン女性

導入の結果、「メール送信者のガイドライン」に対応したメールシステムを、オープンソースソフトウェアのみを使って導入することができました。これにより、Gmail/Yahoo!メール宛のメールも問題なく配送することができています。また、ガイドラインの適用までにあまり時間が無い中でのプロジェクトでしたが、既存サービスへの影響を最小限に留めたことで、スムーズに切替作業を終えることができました。

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