Mailman2を利用したメーリングリストサーバ構築事例
ソリューション開発部 丸吉 祐也
今回は、専門サービス業の団体様にて、メーリングリストサーバのMailman2を導入した事例です。お客様は、レンタルサーバ上にMailman2を構築し20年ほど利用していましたが、レンタルサーバのIPアドレスが汚染されてしまったため、その後は自社独自でサーバを構築し運用していました。ただ、今後も問題なく稼働していくか不安を感じていたため、安全な環境でメーリングリストサーバを再構築し、運用していくことをご希望でした。
お客様が悩まれていた課題
お客様は以下の内容の課題がありました。
- 自社で構築したメーリングリストサーバが今後も問題なく動くか心配。
- 新しいサーバを作るにしてもデータの移行方法がわからない。
- 過去のトラブルと同じことが起きないか不安。また、どのような対策をすべきかわからない。
デージーネットからの提案
デージーネットからは以下の2つを提案しました。
安心・安全なクラウドサービスでサーバを再構築することを提案
お客様が過去に利用していたレンタルサーバで、IPアドレス汚染やメールの送信を拒否されるといったトラブルがありました。こうした過去の事案をヒアリングしたうえで、以下のようなクラウドサーバを提案しました。
- 過去にIPアドレスが汚染されたことがない
- 仮に汚染されても、IPアドレスが標準で5つ用意されているため変更が可能
- 他のサービスに比べて低コスト
データを完全に引継ぐための事前調査を提案
メーリングリスト情報を完全に引き継ぐため、まず、現行のMailman2のデータの保存場所を調査してから、新サーバに移行することを提案しました。事前にデータを移行し、お客様にも引継ぎ状況やメール送受信の試験を行っていただくようにしました。
Mailmanとは、GNUプロジェクトが開発している、メーリングリストサーバのOSSです。各種Linuxディストリビューションで標準でパッケージ提供されており、最もよく使われているメーリングリストサーバです。Mailman3からは、マルチドメインの対応やREST APIの使用も可能となっています。なおデージーネットでは、Mailman3を日本語環境でも利用できるようにするための修正プログラムを開発しました。
導入時の工夫
導入にあたって以下を工夫しました。
入念な移行準備
移行作業で必要な作業を洗い出し、事前に移行作業手順を作成しました。また、本番のデータ移行を行う前に、リハーサルとしてデータを移行し、その結果をお客様にご確認いただきました。
別ドメインを使ったOpenDKIMの検証
OpenDKIMとは、メールのなりすまし対策のソフトウェアです。メールに署名を付与し、メールを受信する側で署名を検証することで、正しい送信元からメールが送信されていることを確認することができます。
今回の事例でも、Mailman経由で送信されたメールが正常に届く(迷惑メールにならない)ようにするため、OpenDKIMを導入しました。既存の設定を引き継ぎつつ、正しい署名が付与されるか、お客様のメールボックスに迷惑メールとならずに届くのかなど、別のサブドメインを利用して連携試験を行いました。
導入後の結果
過去の事案について詳細なヒアリングを行ったことで、安全なクラウドサーバを選定し、お客様の不安を取り除くことができました。また、移行前に問題がないことを確認したことで、トラブルが発生することもなく、利用者はサーバが変わったことが分からないくらいスムーズに切替作業を終えることができました。
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構築事例：Mailman2を利用したメーリングリストサーバ構築
メーリングリストサーバのIPアドレスが汚染された為、更改を検討していたお客様に、既存のサーバを調査し、以前と同様に使用できるMailman2サーバを構築した事例です。
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