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1. KeaKeeperとは

1.1. 概要

KeaKeeperは、Internet Systems Consortium(以下ISC)が開発したDHCPサーバ「Kea」を管理するためのWEBインタフェースです。 Keaは、広く使われてきた「ISC DHCP」の後継として開発されたDHCPサーバです。 その特徴のひとつとして、DHCPのリース情報やDHCPのホスト予約の情報を、データベース(MySQL/PostgreSQL/Cassandra)で管理する機能があります。 KeaKeeperは、Keaが利用するMySQLの情報(DHCPホスト情報、DHCPリース情報等)の参照や更新、Keaの設定ファイル(サブネット、共有ネットワーク等)の追加や更新、削除をWEBインタフェースから行うことができます。

1.2. KeaKeeper機能

KeaKeeperには以下の機能があります。
  • DHCPのリース情報の検索
  • DHCPv4/DHCPv6のサブネットの管理
    • DHCPのサブネットの追加
    • DHCPのサブネットの削除
    • DHCPの貸出IPアドレスの範囲の追加
    • DHCPの貸出IPアドレスの範囲の更新
    • DHCPの貸出IPアドレスの範囲の削除
    • DHCPのオプションの追加
    • DHCPのオプションの更新
    • DHCPのオプションの削除
  • DHCPv4/DHCPv6の共有ネットワークの管理
    • DHCPの共有ネットワークの追加
    • DHCPの共有ネットワークの編集
    • DHCPの共有ネットワークの削除
  • DHCPv4/DHCPv6のホスト予約情報の管理
    • DHCPのホスト情報の追加
    • DHCPのホスト情報の更新
    • DHCPのホスト情報の削除
    • DHCPのホスト情報の検索
    • DHCPのホスト情報の一括追加
    • DHCPのホスト情報の一括削除
  • DHCPv4のみ
    • Option82設定の追加
    • Option82設定の削除
    • Option82設定の一括追加
    • Option82設定の一括削除
  • DHCPv6のみ
    • DHCPのサブネットの更新
    • DHCPのプレフィックスデリゲーション設定の追加
    • DHCPのプレフィックスデリゲーション設定の更新
    • DHCPのプレフィックスデリゲーション設定の削除

1.2.1. Option82設定について

DHCPv4 Option82設定は、DHCPプロトコルのOption82と呼ばれる情報を利用してIPアドレスを払い出す設定を行うための機能です。
IPアドレスを払い出す設定には、以下の条件を使用します。
- サーキットID
- リモートID
- MACアドレス
- または上記の組み合わせ

* KeaKeeperでは、上記の条件を使用する設定を、基本設定と定義しています。
基本設定は、Keaの設定の書式を知らなくても設定が行えるインタフェースが用意されています。

* Keaには、基本設定のような条件以外にも使用できる条件が多くあり、基本設定だけでは十分な条件設定が行えない場合があります。
そのため、KeaKeeperでは基本設定以外の条件を使用してIPアドレスを払い出す設定を行うことができます。
この設定をアドバンス設定と定義しています。
なお、アドバンス設定を行うインタフェースは自由記述の形式となっていますので、Keaの設定の書式について理解している必要があります。

1.3. KeaKeeperを利用するメリット

Keaのバックエンドとしてデータベースを利用することで、以下のようなメリットを享受できます。

  • ファイルベースでDHCPのリース情報を管理するよりも、DHCPのリース情報の検索が素早く行える
  • ファイルベースでDHCPのホスト情報を管理するよりも、DHCPのホスト情報の検索が素早く行える
  • 複数のKeaで同じデータベースを参照することができるため、Keaを複数台配置することでDHCPをロードバランシング構成で動作できる
  • データベースの冗長化をすることで可用性を高めることができる

しかしKeaには、バックエンドのデータベースの値を参照・更新するためのユーティリティが整備されていません。 管理者にとってデータベースを直接操作するのは、非常にリスクを伴う作業です。 KeaKeeperを導入することで、このデータベースの管理作業を安全に行うことができます。 具体的には以下のようなメリットが挙げられます。

  • webインタフェースから操作するため、Linuxやデータベースの知識がなくても利用できます。
  • 複雑な設定の必要がありませんので、手軽に導入することが可能です。
  • データベースへ登録する値を検査するため、誤入力によるDHCPサービス停止の可能性を低減できます
  • Keaが払いだしたIPアドレスの情報(DHCPリース情報)を素早く検索できます
  • サブネット毎にDHCPのホスト予約の情報を参照できます
  • DHCPのホストの一括登録や、既存ホストのDHCPオプション情報をコピーするなど、効率的に作業が行えます

1.4. KeaKeeperの制限事項

KeaKeeperには、現段階で以下の制限事項があります。

  • DHCPサーバの情報を格納するデータベースの対応はMySQLのみです
  • DHCPv4のみクライアントクラスの設定が行えますが、option82の情報を利用したクライアントクラス以外は設定することができません。

1.5. システム構成

KeaKeeperのシステム構成は以下の図の通りです。

KeaとKeaKeeperを使用したDHCPシステムの構成図

図:KeaとKeaKeeperを使用したDHCPシステムの構成図

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