Duplicity
今月の気になるオープンソース情報(2015年5月号)
OSS研究室 田中 温子
今回は、Duplicityを紹介します。Duplicityとは、バックアップをネットワークドライブへ保存することに特化したユーティリティソフトウェアです。Duplicityの特徴は大きく3つあります。
・バックアップの世代管理ができる
・バックアップデータを暗号化する
・様々なリモートサーバへバックアップデータを配置できる
現在は、あらゆる業務がシステム化されており、企業にとってデータのバックアップは欠かせないものになっています。Webサーバのコンテンツデータや、顧客データを定期的にバックアップしたい、といった要望は、もはや普通のことになっています。
そのようなときに、自作したスクリプトでバックアップを実装していることもあるでしょう。しかし、自作のスクリプトだと、世代管理の仕組みを考慮する必要があったり、バックアップデータがそのままで内容を盗み見られたり、改ざんされる危険性があります。
Duplicityを使うことで、複数のバックアップデータの世代管理が行え、また、GnuPGによってバックアップデータが暗号化されるため、バックアップデータを安心して様々なリモートサーバへ配置することができます。一点、GUIがないため、すべてコマンドラインでの操作となり、使用する側にLinuxの基本的なスキルが必要となる点は注意が必要です。
Duplicityは、製品を使うほどではないが、「様々なリモートサーバにバックアップファイルを置きたい」「セキュアにバックアップをしたい」「バックアップファイルの世代管理を行いたい」という場合には、最適なソフトウェアといえるでしょう。
無料資料ダウンロードに【Duplicity調査報告書】を掲載しましたので、是非ご参照ください。