手間をかけずに情報共有
システム管理のつぼ(2018年9月号)
ソリューション開発部 丸吉 祐也
システムを運用する中で、障害が発生することは避けられません。同じことが起きないように対策するのはもちろんですが、少なくとも同じ問題が発生した時は素早く解決をしなければなりません。時には運用のルールを見直して修正しなければならない時もあるかと思います。
皆さんはこのような時に、担当者間で情報を共有したり、引き継ぐことはできていますか?その時は覚えていても時間が経つと忘れてしまいます。メールで周知をしても同様に忘れてしまいますし、担当者が入れ替わっても引き継ぐ必要があります。
引継に手間がかかってしまうと対応の遅れにつながったり、引継自体が面倒になったり、よくない状態になるばかりです。手間をかけずに、情報を引き継ぐためにはいくつかのポイントがあります。
- 全員が必ずアクセスする場所に情報を残す
システムを運用する上で、必ず見るファイルがあればそこに記載して、必ず目に着く状態にするのがベストです。例えば運用のルールが明記された文書があればその文書に記載したり、システムのアカウント・パスワード情報を集めたものがあればそこに記載をするのがよいでしょう。
- 特別な運用ルールを作らない
新たなルールを作っても浸透するのに時間がかかります。そしてルールが多くなると守ることが難しくなります。ベースとなるルールを作ったら、基本的にそのルールの中だけで運用がまわるようにし、イレギュラーな対応は増やさないようにしましょう。
- 引継の打合せをする
"手間をかけずに"という点とは少し矛盾をしますが、やはり引継会を実施するのは効果的です。資料だけではわからない細かな点や疑問点を確認することができるからです。短時間でもよいので議題を決めて基本ルールの再確認や他のシステムと違う点など、ポイントを絞って引継をしましょう。
デージーネットでは、保守/運用を開始する場合に必ず構築部隊と情報の引継会をしています。そしてファイルサーバ上に、システムの設計書や設定に関する資料を集める場所を決めて、素早く参照できる状態にしています。
また社内にはwikiサイトがあり、次に活かすための情報や役立つ情報を記載するようにしています。wikiがあると素早く情報を探すことができます。情報は素早く探せてアクセスできる場所に保存するのがベストです。この機会に社内ルールの整備と情報の整理をしてはいかがでしょうか。