メールマガジン

Nextcloudの便利なプラグインアプリ

OSS研究室 森 彰吾

今回はNextcloudとNextcloudの便利なプラグインアプリを紹介します。Nextcloudは、オンプレミスで利用可能なオンラインストレージです。

オンラインストレージと聞くと、単純にファイルを保存するだけのソフトウェアをイメージがちです。ですがNextcloudはプラグインアプリと呼ばれるプラグインを導入することで、新たな機能を追加していくことができるようになっています。今回はその中でも便利な機能について紹介をしていきます。

予定の管理・調整の効率化

Nextcloudにはカレンダーやタスク管理の機能があります。個人の予定は、グループや他のメンバーと共有することができるため、他の人の予定をすぐに知ることができます。

さらに会議の予定などに、他のメンバーを招待することも可能です。招待された人は、その招待を承認/否認することができるため、会議の日程調整などメールでは手間がかかることもカレンダーだけで完結させることができます。

フォルダの説明による管理性の向上

NextcloudではReadme.mdという名前のテキストファイルを作成すると、ファイルの一覧の上部にReadme.mdの中に書かれた内容を表示することができます。つまりフォルダの説明を、利用者に見せることができるということです。

ファイル共有では、とにかくフォルダやファイルが散乱しがちです。管理ルールを表示する機能があるだけで、フォルダを上手く管理できるようになります。またフォルダの内容物の説明があると、ファイルを開くことなく中身をある程度想像できるようになるため、業務効率もアップします。この機能はNextcloud19までは、「Readme.md」というプラグインアプリで実装することができます。現在最新のNextcloud20では、標準の機能として取り込まれました。

既存のストレージの有効活用

コロナ禍に伴ったリモートワーク導入も、そろそろ広まってきました。ただ、とりあえず社外からVPNを接続できるようにした、というリモートワーク形態も多いのではないでしょうか?そういった場合に、社内のWindowsファイル共有サーバのファイルを操作しようとすると、「まったくファイルが開かない」「エクスプローラが固まった」などの症状がでることがあります。特にエクスプローラが固まってしまうと、他の仕事にも影響がでてしまい困りものです。

Nextcloudの「External storage support」というプラグインアプリを使うと、すでに存在しているWindowsファイルサーバをNextcloudから操作できるようになります。このプラグインアプリを使うと、既存のサーバからのデータ移行が必要なくなりますし、WEBブラウザから手軽にアクセスできるというメリットが生まれます。エクスプローラが固まる心配もありません。

ファイルへのアクセス権限は、AD/LDAPと連携するための「LDAP user and group backend」プラグインアプリを使うことで、社内と同様の権限でNextcloudからファイルサーバにアクセスさせることができます。さらにWEBからファイルサーバにアクセスさせる範囲をフォルダ単位で制限する、ということも可能です。重要な機密などは除外して運用するなども実現できます。

認証の強化

管理者にとって、外部からのアクセスというのは不安を覚えるものです。特にID/パスワードの認証だけでは、それがどんな形で第三者に漏れてしまうかわかりません。

テレワークに伴って外部からのアクセスを許可せざるをえない状況で役立つのが、2要素認証の機能です。Nextcloudの「Two-Factor TOTP Provider」プラグインアプリを使うと、ID/パスワード認証の他に、ワンタイムトークンによる2要素認証が実現できるようになります。ワンタイムトークンは、トークンを発行するための情報登録したスマホなどの機器でしか発行できません。そのためID/パスワードが漏れてしまっても、機器さえ無事ならアカウントを保護することができます。

様々なファイルの操作

Nextcloudは、標準で画像の表示やビデオの再生などの機能があります。それに加えて次のようなことが可能です。

  • リッチな形式で表示可能なテキストファイル(Markdown形式対応)
  • Draw.ioサービスと連携した図形描画機能
  • 思考整理のためのMindmapの作成
  • 各種オンラインオフィスサービスと連携したオフィスファイルの編集(有償)

Nextcloud自体の利便性の向上

Nextcloudには、Nextcloud自体をカスタマイズするプラグインアプリが多く存在しています。例えば、Nextcloudのインターフェースに外部サイトのリンクを登録するための「External Site」というプラグインアプリがあります。このプラグインアプリで社内のWEBツールを登録し、Nextcloudをポータルサイトのように使うこともできます。

またユーザが使いやすいようにNextcloudのメニュー表示を入れ替えたり、利用頻度の高い項目だけを常に表示しておくということも可能です。このような機能は「AppOrder」や「Custom menu」というプラグインアプリで実装が可能です。

デージーネットでは

デージーネットでも社内でNextcloudを導入しています。カレンダーの共有を行ったり、社内で利用しているチャットソフト「Rocket.Chat」やWEBメール「Roundcube」にNextcloud内部からアクセスできるようにしています。その他、上記で紹介したファイルサーバとの連携も行い、Readme.mdの活用も行っています。

もちろんお客様向けにNextcloudの構築サービスも提供していますので、ご要件に応じてプラグインアプリの提案もさせていただきます。

関連ページ

Nextcloudのプラグイン・アプリ

OSS情報(Nextcloud_plugin)

Nextcloudは、基本的な機能に加えて、プラグイン・アプリと呼ばれる拡張機能を導入することで、より便利に使えるようになります。ここでは、デージーネットで利用実績や検証の実績があるNextcloudのプラグイン・アプリについて紹介します。

デージーネットからのお知らせ

【Webセミナー】コロナ禍での人材育成!学習管理システム「CanvasLMS」を使用したオンライン研修の始め方

多くの企業では、従来の集合研修をすることが難しくなりオンライン研修にシフトしようとする企業が増えているのではないでしょうか。しかし、どのように進めていけばいいのか、どのようなツールが必要なのかわからないことも多いと思います。

そこで今回は、デージーネットで行っているオンライン研修を参考に、オンライン研修の始め方や使用しているツール、進行するためのポイントについてご紹介いたします!

  • 日程:2020年10月22日(木)
  • 時間:15:00 〜 16:00(ログイン可能時間14:50 〜)

    ※ウェビナー開催OSS「BigBlueButton」を使用します。

お申込みはまだ間に合います!ぜひこの機会にご参加ください。

お申し込みフォーム↓↓
https://www.designet.co.jp/seminar/seminar.php?seminar_id=46

11月に【Webセミナー】情報システム部担当者が教える!オープンソースソフトウェア活用したテレワークの導入セミナーを行います。

このセミナーでは、デージーネットでのテレワーク運用を事例としてあげながら、テレワークで活用できるOSSを紹介します!

  • 日程:2020年11月27日(金)
  • 時間:15:00 〜 16:00(ログイン可能時間14:50 〜)

https://www.designet.co.jp/seminar/seminar.php?seminar_id=47

無料資料ダウンロードに【Nextcloudプラグインアプリ調査報告書】を掲載しました。

Nextcloudとは、オープンソースのオンラインストレージです。ownCloudというソフトウェアから派生して開発されています。ownCloudはエンタープライズ版に重点を置いて機能追加がされる傾向にあります。一方で、Nextcloudはオープンソースに重点を置いて機能追加がされています。 本書は、ファイル共有ソフトNextcloudのプラグインアプリに関する調査報告書です。

https://www.designet.co.jp/download/#remotework

10/28(水)〜10/30(金)幕張メッセで行われる第11回 Japan IT Week 秋にデージーネットが出展します。

https://www.designet.co.jp/info/?id=396

無料資料ダウンロードに【Selenium調査報告書】を掲載しました。

Seleniumとは、Webアプリケーションをテストするためのポータブルフレームワークです。自動でブラウザを操作することでWebサイトの動作のテストを行うことができます。本書は、Seleniumについて調査した内容をまとめたものです。

https://www.designet.co.jp/download/#information

メールサーバの安全性を無料でチェックできるサイトを公開しています。

メールセキュリティへの関心が高まる中、メールセキュリティのチェック項目を整理して、誰でも簡単にチェックできるツールはありませんでした。本サイトでは、メールアドレスを入力するだけで、メールサーバのセキュリティを無料でチェックできます。

メールサーバセキュリティ診断MSchecker外部サイトへ

デージーネットマガジン2020年10月号記事一覧

Nextcloudの便利なプラグインアプリの先頭へ