- Wiki.js〜OSSで社内ノウハウを蓄積・共有〜
- Wiki.jsは、社内で活用するのにおすすめの、誰もが使いやすいオープンソースソフトウェアのWikiツールです。
- 管理者マニュアル
- デージーネットで作成した日本語のWiki.js管理者マニュアルです。
- ユーザマニュアル
- デージーネットで作成した日本語のWiki.jsユーザマニュアルです。
Wikiとは、Webブラウザを利用して、不特定多数のユーザが共同でコンテンツを作成・編集することができるシステムです。Wikiツールとして最も有名なものには、Wikipedia(ウィキペディア)があります。働き方改革やペーパーレス化の影響を受け、社内のノウハウや情報をWeb上でどこからでも共有できるようにするため、Wikiツールを導入する企業が増えてきています。社内でのWikiの活用例としては、社内のノウハウの蓄積や社内ルールの記載、ソフトウェアの説明等が挙げられます。Wikiツールは不特定多数の人が利用するため、誰でも使いやすいシステムが好まれます。今回紹介するWiki.jsは、誰もが使いやすいオープンソースソフトウェアのWikiツールです。
Wiki.jsとは、Node.js上で動作するオープンソースのWikiツールです。Wiki.jsは、2017年にリリースされた比較的新しいWikiツールです。JavaScriptで作成されており、ライセンスはAGPL-v3 Licenseで公開されています。Wiki.jsは、比較的手軽に構築を行うことができ、オープンソースソフトウェアのためライセンスフリーで利用することができます。下記で詳しく解説しますが、Wiki.jsは、機能が豊富で使いやすいWikiツールです。
Wiki.jsログイン画面
Wiki.jsには、以下の特徴があります。
Wiki.jsは、モダンなデザインで綺麗なインターフェースを採用しています。Wiki.jsは複数の言語に対応しており、初期設定では英語表示になっていますが、管理画面で日本語に変更することが可能です。Wiki.jsは、日本語表記で見やすく使いやすいWikiツールです。
Wiki.jsのインターフェース
言語設定画面
多くのWikiツールでは、Markdown方式での記述が採用されています。Markdownとは、多くのシステムで利用されるマークアップ言語の一つです。Wiki.jsでも、Markdown方式が採用されているため、そのほかのシステムでMarkdown方式で記載したものをそのまま利用することも可能になります。
Markdown方式での記事作成画面
さらに、Wiki.jsでは、Markdown方式以外の記述方法も採用されています。その記述方式では、Wordなどのオフィスソフトウェアが扱えるユーザであれば、誰でも記事が書けるようになっています。他のWikiで作られたコンテンツをそのままコピーすると、見出しや表などがほぼそのままの状態でコピーされるので、どのユーザでも簡単にコピーが可能です。そのため、Markdownがわからないユーザでも記事を書くことができます。完成した記事は、他の記述方式で書いた記事を別のフォーマットに変換することも可能です。
記事作成画面
一般的なWikiツールでは、記事を階層化して整理を行います。この方法だと、リンク元のページが削除された場合に閲覧できないページが残ってしまったり、構造が把握できないというデメリットがあります。
Wiki.jsでは、フォルダを作成し記事の管理を行うことができます。Wiki.jsの特徴として新しいフォルダを作成する必要がありません。記事を作成する時に、新しいファイルパスを指定するだけで、自動的に階層構造が作られます。またタグを付けることができ、タグで記事の管理も可能です。フォルダとタグ両方を使い分けることで、記事の管理がしやすくなります。
Wiki.jsは、管理者が、操作範囲や操作権限ともに細かく設定が可能です。そのため、利用者全体が統一されたルールの元でWikiを運用していくことができます。
管理画面
Wiki.jsは、シングルサインオン(SSO)やLDAP認証などの外部認証を利用することができます。他の認証機能が利用できるので、現在利用しているシステムと同じID・パスワードでユーザ管理を行うことができます。
認証設定画面
Wiki.jsは、ストレージの機能を用いて、記事のフォルダ階層を維持しつつ、テキストファイル(Markdown形式)としてエクスポートすることができます。エクスポートができるので、バックアップとして活用したり、他のシステムへの移行も行うことができます。
Wiki.jsには、様々な機能が存在します。ここでは、Wiki.jsの機能を紹介します。
Wiki.jsは、Markdown方式だけではなく、様々な編集方法が存在します。Wiki.jsの編集方式は以下になります。
Markdownと呼ばれるマークアップ言語による編集方法
HTML による編集方法
AsciiDocと呼ばれるマークアップ言語による編集方法
グラフィカルなインタフェースでの編集方法
他のファイルを元にした編集
Wiki.jsには、Draw.ioやPlantUML、Mermaidなどによる図形描画機能があります。また、記事の中に画像をアップロードすることも可能です。そのため、図形や画像を利用しながら記事を作成することが可能になります。
Wiki.jsは、ファイルのパスによる記事の整理ができます。また、記事ごとに検索用のタグをつけることができます。
フォルダ管理
タグの表示
記事につけたタグの検索や、全文検索機能があります。全文検索機能は、AWSs CloudSearchやAzure Search、Elasticsearchと連携させ全文検索を行うことが可能になります。
検索エンジン設定画面
Wiki.jsには、エクスポートやインポート機能があります。そのため、ローカルディスクやAmazon S3やGitなどへ記事のエクスポートやバックアップが可能です。
ストレージ設定画面
管理者により、フォルダにアクセスできるユーザを管理することができます。
ユーザ管理画面
権限操作画面
Wiki.jsの利用可能な認証プロバイダは次の通りです。
Wiki.jsは、使い勝手のいいWikiツールですが、いくつか問題点があります。
しかし、このような不足する機能も、次のメジャーバージョンで追加されることが決まっているなど、機能改善が進んでいます。
デージーネットでは、社内のノウハウや社内ルールの共通保管場所として、Wiki.jsを活用しています。従来の公式マニュアルは英語表記となっていましたが、デージーネットでは社会貢献の一環として、日本語マニュアルを作成し公開しています。ソフトウェアのインストール方法や詳細は、Wiki.js調査報告書に掲載しています。
また、オープンソースソフトウェアのWikiツールをつかったシステム構築や保守を行っています。弊社でシステムを構築したお客様には、導入後支援サービスとしてOpen Smart Assistanceを提供しています。Open Smart Assistanceでは、OSSやソフトウェアの利用方法に関するQ&Aの受け付けや、障害発生時の障害調査、ソフトウェアの脆弱性などのセキュリティ情報の提供など、お客様が日常運用をしていく中で、安心してシステムを利用していただくために、システム管理者の業務をサポートします。
Wikiとは、Webブラウザを利用して、不特定多数のユーザが協同してコンテンツを編集するシステムです。ここでは、社内Wikiツール導入のメリットや選定のポイント、おすすめのオープンソースソフトウェアを紹介します。