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学習管理システムCanvas LMSを利用した研修環境の構築

OSS研究室 橋本知里

今回は、デージーネットの社内で学習管理システムを構築した事例です。デージーネット社内の研修はすべてこのCanvas LMSを通して管理を行っています。

Canvas LMSとは

Canvas LMSとは、企業の研修や学校などの教育機関で教材配信や成績の管理ができるオープンソースソフトウェアの学習管理システムです。学習に必要な機能を集結させた学習管理システムで、世界中の多くの教育機関で採用されています。そしてOSSとして提供されているだけでなく、クラウドサービスとしても提供されています。

社内で導入しようとしたきっかけ

これまで、社内研修は日程や受講者などファイルで表を作って管理を行っていました。しかし、社内研修を充実させるため研修の種類を増やしたり、受講者が増えていくことで、誰がどの研修を受講し、完了しているのか、再受講が必要なのかなどファイルでの管理に限界を感じていました。その時、研修の日程や受講者、成績管理のできるCanvasLMSというオープンソースソフトウェアがあることを知り、社内での導入を行うことにしました。

社内の活用方法

現在は、新人研修から、SE向けの技術研修まで社内の研修全てで活用をしています。研修の日程や受講者の管理は、管理部で調整を行い、学習管理システムに登録することで講師と受講者に研修の連絡が届くようになっています。

講師は、学習管理システム上に研修の教材や試験を登録し、研修を行っています。学習管理システム内で受講者の成績管理もでき、一覧表で一目で確認できるのがとても便利です。特に複数回に渡る研修で講師も複数人いる場合には、受講者の誰がどこまで課題が完了しているのかなどの情報共有がスムーズにできるようになりました。また、今までは再研修も対面で行っていましたが、学習管理システム導入後は、1回目の研修を録画し再研修は録画を使って受講してもらうなど、再研修でも活用しています。

導入にあたっての苦労や工夫したこと

苦労したことは、教案と試験の登録です。今まで、研修の教案なども全てファイルで作成していましたが、学習管理システムでは教案をモジュールという単位で登録するため、どのように登録したら受講者が見やすく、分かりやすいのか機能を活かした教案の登録に非常に苦労しました。また、研修内で行う練習問題や試験も、学習管理システムに入っている機能を使って、一番効率よく試験を実施するためににどうしたらよいか、使いこなすまでに苦労しました。

導入時の工夫としては、今後同じ研修を別の講師でも実施できるように、一番初めに学習管理システムを使った研修方法の全体の方針や登録の方法について講師みんなで話し合いを行い、情報の登録方法などを統一するようにしました。

Canvas LMSを使用する上での課題

再研修を録画を用いて実施をしていますが、実際の研修を録画したものとなっているのでその当時の質問に対応している時間や、研修内で問題を解いている時間も入ってしまっているため無駄な時間が含まれてしまっている点が課題と感じています。

今の学習管理システムでは、受講者がきちんと動画を見たことが分かる仕組みがないので、今後受講者が動画を見たかどうか確認できる仕組みができれば、初めから研修専用の動画を取ってeラーニングの形が取れるようになると、より便利になると思います。

導入後の結果

学習管理システムを導入した結果、自動採点の機能などを利用することで添削する時間を大幅に削減できたり、受講者の成績を一覧で把握できるため受講者の成績管理や情報共有がとてもスムーズになりました。研修初回は教材の登録など準備に時間がかかりますが、2回目以降の実施では前回利用した研修内容をベースによりよくするための修正も簡単にできるため、研修実施の効率アップもできています。

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