教育機関向けへの学習管理システム導入事例
ソリューション開発部 鈴木 奏音
今回は、教育機関向けに、学習管理システムのCanvas LMSを導入した事例です。受講生の学習の進捗状況を把握できないというお客様のお悩みに対し、デージーネットからは、OSSの学習管理システムであるCanvas LMSの導入をご提案しました。
お客様が悩まれていた課題
お客様には以下の課題がありました。
- システムで講義の受講やテストの実施、学習状況の把握ができない
- 新システムのために新たにユーザ情報を登録したり、ユーザ認証を増やすのは手間がかかる
- 自分たちだけでシステムを運用していくことや、相談先がないのが不安
デージーネットからの提案
デージーネットからは以下の2つを提案しました。
Canvas LMSを用いた授業支援システムの導入
Canvas LMSとは、教材配信や成績の管理ができる、OSSの学習管理システムです。OSSだけでなく、クラウドサービスとしても提供されています。Canvas LMSには、学習コースの受講や教材の確認、受講者の学習の進捗状況や成績を把握できる機能があります。また、Canvas LMS上でテストの作成・採点も可能です。穴埋めや選択形式のテストでは自動採点機能が利用でき、講師の確認が必要な論述形式などのテストは手作業で採点することができます。
またCanvas LMSでは、外部のIDプロバイダと連携してユーザ認証を行うことができます。SAML連携も可能で、お客様が利用していた既存のActive Directoryのユーザ情報を使ってシステムを利用することもできます。もともとお客様の一部でCanvas LMSを利用した経験があったこともあり、今回はCanvas LMSの導入をご提案しました。
Active Directoryと連携をするスクリプトの設計、開発の提案
前述の通り、Active Directoryの認証情報によるSAML連携は可能でしたが、利用にあたりCanvas LMS側にユーザ登録をする必要がありました。そこで、Active DirectoryとCanvas LMSでユーザ情報の突合せを行い、追加・削除を行うため、ユーザ連携スクリプトの設計、開発をご提案しました。スクリプトを定時実行させることで、Active Directoryに新規追加したユーザも順次、Canvas LMS側に追加されるようになります。
導入時の工夫
導入にあたって以下を工夫しました。
ユーザの所属グループや用途によってサーバを分けた
利用するユーザが所属するグループによって、利用したい授業(コース)が異なるため、それぞれサーバを分けて構築しました。Canvas LMSのSAML連携サービスの設定を分けることで、各ユーザが対象のCanvas LMSへログインできる形としました。例えば、①のActive DirectoryユーザはAのサーバへ、②のActive DirectoryユーザはBのサーバへ、用途が絞られたCのサーバについては①と②両方のActive Directoryユーザを連携するようにしました。
社内環境で構築手順の検証を実施
今回は、お客様の仮想基盤上に用意していただいたサーバに、弊社からリモート接続して構築を行いました。そのため、弊社側でスナップショットを取って安易に切り戻しができない状況でした。そこで、手戻りが発生した際にお客様の手を煩わせてしまう可能性がないように、確実な構築手順を確立してから構築を行いました。
動作環境や連携するシステムの洗い出し
お客様の仮想基盤上で構築していたので、構築段階から接続状態の確認を行ったり、SAML連携の設定をお客様にご協力いただいたりしながら、細かく調整を行いました。
導入後の結果
利用するユーザや用途ごとにサーバを分けたことで、コースもサーバを分けて配信することができるようになりました。また、ユーザの認証情報によって、各自必要なCanvas LMSを利用することができるようになり、受講者の受講状況も管理できています。さらに、構築後も弊社が提供するサポートサービスをご利用いただいているため、システムに関するQ&Aなどの問合せ先としてご活用いただいています。
関連ページ
構築事例:Canvas LMSを利用した学習管理システム(学校向け)導入
学校向けに学習管理システムのCanvas LMSを導入した事例です。お客様は、受講者の学習状況の把握を効率的にできていないという課題をお持ちでした。また、別で既存のシステムのユーザ情報を管理していたため、学習管理システム専用のユーザ管理やログインを行う手間は避けたいというご要望がありました。そこで、既存のActive Directoryと連携するスクリプトを設計・開発するなどユーザ登録の手間を軽減する工夫を行いました。
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