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Kea DHCPサーバの情報をWeb UIで管理〜KeaKeeper〜

DHCPサーバとは、ネットワークに接続する機器に、IPアドレスなどのネットワーク設定に必要な情報を自動的に割り当てるプロトコルを実装したサーバのことです。手動で設定する手間を省き、ネットワーク管理を効率化できます。これまではISC DHCPが広く利用されていましたが、今後は後継のKeaが主流になってくることが見込まれます。Keaは非常に多彩なDHCPの管理機能を備えていますが、コマンド操作による設定が必要です。この記事では、Keaの機能をWeb画面上で管理できるオープンソースソフトウェアのKeaKeeperについて紹介します。

目次

DHCPサーバのkeaとKeaKeeper

KeaKeeper

KeaKeeperとは、DHCPv4/DHCPv6サーバのOSSであるKeaを管理するための、Webインタフェースのソフトウェアです。デージーネットが開発を行い、オープンソースソフトウェアとして公開しています。Keaは、ネットワークに接続する機器に、IPアドレスやルーティングなどの必要な情報を自動的に割り当てる機能を提供します。KeaにKeaKeeperを連携させて使用することで、WebUIから、DHCPホスト情報・DHCPリース情報等の参照や更新、Keaの設定ファイルの追加や更新、削除を行うことができます。

KeaKeeperを開発した背景

これまで、OSSのDHCPサーバと言えば、Internet Systems Consortium(以下ISC)が開発したISC DHCPが有名でした。しかし、ISC DHCPは設定変更時にサーバの再起動が必要で、その間はサービスを停止しなければならないという問題がありました。そこで、ISCは広く使われてきたISC DHCPの後継のDHCPサーバとして、2015年にOSSのKeaを開発、リリースしました。

Keaでは、DHCPサーバを再起動することなくサブネットやIPプールの追加・変更が可能です。DHCPサーバを停止することなくリロードを行うことができるため、Keaを利用することでシステムを安定的に稼働させることができます。また、Keaは外部システムと連携するためのAPIを提供しているため、DHCPのシステムを調査・更新したり、リースファイルの保存先としてMySQLやPostgreSQL等を選択したりする際に便利です。

ただしKeaの標準機能では、DHCPの各種設定はコマンドラインでしか操作できません。そのため、KeaでDHCPの設定、変更をするためにはLinuxやデータベースの専門知識が必要でした。そこでデージーネットでは、Keaと連携してGUIベースでKeaの設定やリース情報の確認、操作ができるKeaKeeperを開発しました。

KeaKeeperの特徴

KeaKeeperには次のような特徴があります。

Web UIで直感的に操作できる

KeaKeeperでは、Keaの設定変更やリース情報の確認などをWebインタフェースから行うことができます。Keaだけだと設定ファイルを編集する複雑な作業が必要ですが、KeaKeeperを利用することで、Webブラウザを使った直感的な操作でDHCPのホスト情報やリース情報を確認・設定することができます。そのため、Linuxやデータベースの専門的な知識が無くても比較的容易にDHCPを運用することができます。

多彩な管理機能

KeaKeeperでは、Keaの運用に必要となる以下のような基本的な操作を実施することができます。

サブネットの管理

  • IPv4とIPv6のサブネットの追加設定

    新たにサブネットを追加することができます。

DHCPv4サブネット追加画面

DHCPv4サブネット追加画面

  • 貸出IPアドレスの範囲設定

    貸出IPアドレスの範囲の追加・削除・変更を行うことができます。

DHCPv4貸出IPアドレスの範囲の追加画面

DHCPv4貸出IPアドレスの範囲の追加画面

  • DHCPオプション設定

    オプションの追加・変更を行うことができます。

DHCPv4オプション更新画面

DHCPv4オプション更新画面

リース情報の一覧表示

リース情報検索画面から、IPアドレスやリース開始日などの条件を指定してリース情報の検索を行うことができます。

DHCPv4リース情報検索画面

DHCPv4リース情報検索画面

設定の適用状況の確認

  • 設定情報の適用をGUIベースで実施
  • 設定適用ボタンを押すことで無停止で設定の適用が可能

ユーザ管理機能(認証付きUI)

  • ユーザー情報をデータベースに保存
  • ログインしたユーザーが自身でパスワードを変更可能

上記の機能以外についてはKeaKeeperのマニュアルに詳しく掲載しております。

デージーネットの取り組み

デージーネットでは、KeaKeeperのインストール方法や詳しい使い方を掲載したマニュアルをホームページ上で公開しています。また、Kea調査報告書1.1版では、Kea単体とHAモードを利用した場合の性能検証の結果を公開しています。調査報告書は無料でダウンロード可能なため、KeaKeeperのマニュアルと併せてぜひ参照してください。

なおデージーネットでは、Kea、KeaKeeperを連携させたDHCPサーバーの構築・保守も行っています。お客様のご要望を細かくヒアリングし、ご要望に合わせてシステムの導入を行います。導入後は、保守サービスとしてQ&A対応や障害調査などソフトウェア単体だけではなく、システム全体の保守を行います。

KeaKeeper関連情報

KeaKeeperマニュアルページ

KeaKeeperマニュアルページ

KeaKeeperは、Internet Systems Consortium(以下ISC)が開発したDHCPサーバ「Kea」を管理するためのWEBインタフェースです。この記事の中では、KeaKeeperを利用するために必要な準備や設定、基本的な使い方や機能の詳細を解説しています。

Kea調査報告書

無料資料ダウンロード

DHCPサーバのソフトウェアは今後Keaが主流になると予想されます。本書では、Kea2.4系を再調査し、インストール方法や基本的な使用方法、単体・複数の構成での性能検証などを調査した結果を説明します。

Kea〜ISC DHCPに代わるOSSのDHCPサーバ〜

OSS情報(Kea)

Keaとは、オープンソースソフトウェアのDHCPv4/DHCPv6サーバです。APIで外部システムと連携することで標準的なDHCP クライアントに対応することができます。主な機能に、ネットワークに接続する機器への、IP アドレスやルーティングなどの必要な情報の割り当てなどがあります。システムの再起動を伴わないオンライン設定が可能なため、システムを安定的に稼働させることができます。

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