オープンソース

Rocky Linux〜RHELのクローンOS〜

CentOSプロジェクトは2020年12月8日にCentOS8のサポートを2021年12月末で終了することを発表しました。また同時にCentOSプロジェクトは、CentOS Streamと呼ばれるRHEL(Red Hat Enterprise Linux)の開発版に位置づけられるOSに注力していくことになりました。この影響のため、以前から多くのシステムやビジネスで利用されていたCentOSは、今後は実質的に利用し続けることが難しくなりました。

また代替となるCentOS Streamは、完全なRHELクローンではないことや、今回突然のサポート終了が行われた事実からCentOS Streamの利用は不安がある状況になりました。この流れを受けて、Oracle Linuxなど新しいRHELクローンの開発プロジェクトが2021 年にいくつか発足しました。Rocky Linuxはその中のひとつです。

Rocky Linuxとは

Rocky Linuxは、RHELのダウンストリームビルドであることやコミュニティ駆動型で開発されるOSであること、さらにRocky Linuxはエンタープライズ環境での運用が堅実で安定性があることをユーザーに明言しているLinuxディストリビューションです。

インストール画面

Rocky Linuxの特徴

Rocky Linuxは、RHELのクローンとして開発されているため、RHELやCentOS/AlmaLinuxと変更点はなく、互換性を保って利用が可能です。RHELやCentOSの操作やコマンドに慣れているユーザであれば、Rocky Linuxは問題なく使用することができます。Rocky Linuxの特徴は以下があります。

yumリポジトリでソフトウェアのアップデート情報の提供

Rocky Linuxは、yumリポジトリでソフトウェアのアップデート情報(updateinfo.xml) が提供されています。これによりyumコマンドで、パッケージ毎のセキュリティ情報を確認できたり、脆弱性のレベルによって選択的にセキュリティアップデートができるようになっています。問題の種別がバグなのか、セキュリティ上の問題なのかわかりやすく表示されています。またエラータサイトも公開されているため、セキュリティ情報が確認しやすい状態になっています。

コミュニティ中心の発展

Rocky Linuxでは当初セキュリティ情報の提供やエラータサイトの公開が行われていませんでした。対抗であるAlmaLinuxでは公開されていたため、Rocky Linuxのコミュニティ内で情報提供に関する話し合いが行われました。当初は対応できるチームが無いため対応の見通しが立っていませんでしたが、そこからすぐに管理の体制を整えて、セキュリティ情報の追加提供を開始しました。このような動きを見る限り、Rokcy Linuxがコミュニティを中心としていることがわかります。

CentOS8からの移行が可能

Rocky Linux Projectは、CentOSからの移行を行うためのユーザ向けのツールを提供しています。検証の際にCentOSのディストリビューションで提供されていないソフトウェア・カーネルモジュールもインストールさせた状態で検証を行いましたが、その点は技術的な問題もありませんでした。全てのソフトウェアや全ての構成、設計で全く問題が出ないとは言えませんが、一定の安定性があることは確認ができました。

Rocky LinuxとAlmaLinuxの比較

Rocky Linuxと同様にCentOS8の代わりとなるOSとしてAlmaLinuxが存在します。AlmaLinuxはRocky Linuxよりも早く最初の正式リリースが行われ、現在も精力的にシェア拡大のための活動が行われています。Rocky Linuxについて検証した最新の情報と、AlmaLinuxの情報をまとめて比較すると次のようになります。

2021年8月時点
項目 AlmaLinux Rocky Linux
正式リリース日 2021年03月30日 2021年06月21日
スポンサー CloudLinux .inc
(他不明)
Ctrl IQ
(他7社)
CentOS と比較したパッケージ提供速度 同等以上 同等以上
セキュリティ情報の提供
エラータサイト
ミラーリポジトリ数 142サイト 106サイト
公式コンテナイメージの配布
公式AWS イメージの配布
公式Azure イメージの配布 ×
ARM アーキテクチャ対応
PowerPC 対応 ×
CentOS8 からの移行 可能 可能
セキュアブート対応 対応済み 未対応
FIPS(連邦情報処理規格) 対応 2022年1期に対応予定 計画中

表からAlmaLinuxの方が早く正式リリースされたこともあり、ミラーリポジトリやクラウド対応が早く行われていることがわかります。またセキュアブートに関しても、AlmaLinuxは既に対応済みというのもポイントの一つです。

一方で、このような現在の違いは、バージョンが上がり、更新されれば徐々にRocky Linuxも対応すると考えられます。つまり機能面や利用可能な環境については差が無くなってくると考えられます。

デージーネットの取り組み

Rocky Linux はRHEL8/CentOS8と同じように利用できるOSであることがわかりました。またアップグレード速度もCentOS と同等以上であり、セキュリティ情報の提供も行われています。またコミュニティの意見反映も行われていることから、今後のCentOS8の代替OS の候補として検討される可能性は高くなっています。ただ現状では、CentOS8の代わりにどのOSを推奨するかという問題について決め手に欠けます。

デージーネットでは、安定的に開発・プロジェクト活動の継続や開催が行われていくかが焦点になると考えられるため、今後の方針や動向にも注意していきます。詳しい情報は、Rocky Linux調査報告書の記事にも掲載されています。

関連情報

RockyLinux調査報告書

無料資料ダウンロード

Rocky Linuxは、CentOS8のサポート終了に伴って開発が開始されたOS です。本書は、Red Hat Enterpirse Linux 8 のクローンOS「Rocky Linux 8」の調査報告書です。調査報告書は簡単な項目を登録すれば無料でダウンロードが可能です。

CentOS8の代替えOS〜AlmaLinux〜

AlmaLinux

CentOS8のサポートが2021年末で終了するとアナウンスされ、これを受け新しいRHELクローンの開発プロジェクトがいくつか発足しました。AlmaLinuxはその中の1つで、他のプロジェクトより一足早く、2021年3月30日に正式版がリリースされました。このページではAlmaLinuxについての詳細を解説します。

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