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AI・セキュリティ・クラウド対応が強化されたOS〜Ubuntu 26.04 LTS〜

経営企画室 OSS企画チーム 朱 龍一

今回は、2026年4月にリリースされた「Ubuntu 26.04 LTS」をご紹介します。Ubuntu 26.04 LTSは、2年ぶりにリリースされた長期サポート版(LTS)です。AI・GPU環境の強化やポスト量子暗号への対応、クラウドIDとの認証連携、コンテナ基盤の改善など、多くの変更が加えられています。

Ubuntu 26.04 LTSとは

Ubuntuは、Canonicalが開発・提供しているLinuxディストリビューションです。Debianを基盤としており、デスクトップからサーバまで幅広く利用されています。Ubuntuには通常版とLTS版があり、LTS版では標準で5年間のセキュリティメンテナンスが提供されます。そのため、長期間運用するサーバ用途でも利用しやすいことが特徴です。

Ubuntu 26.04 LTSの主な変更点

Ubuntu 26.04 LTSでは、AI・GPU、セキュリティ、認証、コンテナなどの分野で機能が強化されています。

  • AI・GPU環境の強化

    Intel向けのDPC++やoneDNN、NVIDIA向けのCUDA Toolkit、AMD向けのROCmなどをUbuntuのリポジトリから導入できるようになりました。これにより、AI・機械学習向けのGPU環境を構築・管理しやすくなっています。

  • ポスト量子暗号への対応強化

    OpenSSHではポスト量子暗号に関係する鍵交換方式が追加され、OpenSSLではML-KEM、ML-DSA、SLH-DSAなどに対応しています。将来の量子コンピュータを見据えたセキュリティ強化が進んでいます。

  • AppArmorプロファイルの拡充

    Ubuntu 26.04 LTSでは、AppArmorで利用できるプロファイルが拡充されています。主要3パッケージに含まれるプロファイル本体は249件から307件へ増加しており、より多くのアプリケーションにアクセス制御を適用しやすくなっています。

  • クラウドIDとのログイン認証連携

    Microsoft Entra ID、Google IAM、OIDC対応のIDプロバイダーなどをUbuntuへのログイン認証に利用しやすくなりました。authdが公式リポジトリから提供されるようになり、クラウド上で管理しているIDを活用しやすくなっています。

  • コンテナ基盤の更新方針を選択可能

    containerdとruncでは、「app版」と「stable版」を選択できるようになりました。新機能を重視する場合はapp版、安定性を重視する場合はstable版というように、用途に応じた運用が可能です。

Ubuntu 26.04 LTSへの移行時の注意点

Ubuntu 26.04 LTSでは、サーバで利用される各種ソフトウェアも大きく更新されています。そのため、既存環境から移行する場合には、利用しているサービスごとに設定や互換性を確認することが重要です。

例えば、次のような変更があります。

  • Dovecot

    2.3系から2.4系へ更新され、設定ファイルの構文や構成が大きく変更されています。

  • Postfix

    既定ではchroot環境を使用しない構成へ変更されています。

  • SSSD

    実行ユーザがrootから専用ユーザへ変更されており、設定ファイルなどの権限確認が必要です。

  • MySQL、PostgreSQL

    MySQLは8.4 LTS、PostgreSQLは18へ更新されているため、設定やデータ移行、互換性の確認が必要です。

  • Chrony

    新規インストール時の標準時刻同期デーモンがsystemd-timesyncdからChronyへ変更されています。

このように、Ubuntu 26.04 LTSへ移行する場合には、OSだけでなく、利用しているミドルウェアやOSSへの影響も事前に確認する必要があります。

Ubuntuを利用するメリット

UbuntuはOS自体を無償で利用でき、LTS版では標準で5年間のセキュリティメンテナンスが提供されます。また、AWS、Microsoft Azure、Google Cloudなどの主要クラウドで公式イメージが提供されているほか、Docker Engine、containerd、Podmanなどのコンテナ関連ソフトウェアも利用できます。

さらに、Ubuntuを正式な対応環境としているOSSも多く、公式の要件や手順に沿って構築しやすいこともメリットです。Ubuntu 26.04 LTSでは、AI・GPUやセキュリティ、クラウドID認証なども強化され、幅広い用途で利用しやすくなっています。

デージーネットでは

デージーネットでは、システム要件や既存環境に応じたLinux OSの選定から、設計・構築、移行、リプレース、運用・保守まで支援しています。Ubuntuの新規導入だけでなく、既存のUbuntu環境からUbuntu 26.04 LTSへのリプレースや、他のLinux環境からUbuntuへの移行にも対応できます。Ubuntuを導入したい、Ubuntu 26.04 LTSへ移行したい、どのLinuxを選択すればよいか相談したいなどございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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