無料で使える日程調整ツール〜Cal.com〜
日程調整ツールとは、会議や打ち合わせ、面談などの予定をスムーズに決定するためのツールのことを指します。従来のメールや電話を使った日程調整に比べ、ダブルブッキングや伝達ミスといったリスクを減らしながら効率的に日程調整を行うことができるため、予約者と管理者の双方にとってメリットがあります。Cal.comは、Googleカレンダー等と連携して予定を管理したり、Web会議システムのURLを自動で発行することができるOSSの日程調整ツールです。この記事では、Cal.comの特徴や機能について紹介します。
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目次
Cal.comとは
Cal.comとは、Cal.com,Inc.が開発したオープンソースの日程調整ツールです。採用の面接や、面談・打合せなどの日程調整、商談のアポ取りなど、様々なビジネスシーンで活用することができます。Cal.com,Inc.がサービスとして提供しているほか、ソースコードが公開されているため自社でシステムを構築することも可能です。Cal.comの一部のソースコードは有償でないと利用ができないですが、現在、週に数回程度と非常に頻繁に新バージョンがリリースされています。
Cal.comの特徴
Cal.comには、以下のような特徴があります。
外部システムと連携しやすい
Cal.comには外部システムと連携するためのアプリが複数用意されています。そのため、社内で既に利用しているカレンダーツールやWeb会議ツールをそのまま使いながらスケジュールの日程調整を行うことができ、導入のハードルが低いというメリットがあります。
予約情報をセキュアに管理できる
Cal.comは、Cal.com,Inc.が提供するサービスから利用するほか、自社のオンプレミス環境に構築することもできます。企業内のサーバで利用することで、予約者の情報などを安全に管理することができるため、自社のセキュリティ要件に合わせて利用することができます。
イベントを詳細に設定することができる
Cal.comでは、予約を受け付ける前に、イベントの設定を細かく指定することができます。例えば、イベント前後の移動時間や準備時間など、予約を重複させない時間帯を設定したり、現在時刻から指定した時間以内には予約を入れられないようにしたりすることができます。そのため、管理者側の状況や用途に合わせて、柔軟に日程調整を行うことができます。
Cal.comの機能
Cal.comには、主に以下のような機能があります。
イベントの予約
ユーザは以下の流れでイベントの予約を入れることができます。
- 予約を入れたいユーザが、Webブラウザで予約先のユーザの公開ページにアクセスします。非公開のイベントの場合は、共有URLを予約者へ送ることで直接アクセスします。
- 予約可能なイベントの種類を選択します。
- 予定が空いている日時を選択します。
予約画面
- 予約するユーザの名前やメールアドレスなどを入力し、予約が確定します。
予約完了画面
予約後は、Cal.comのメニューから予約内容を確認したり、予約の変更、場所の変更、予約のキャンセルなどを行ったりすることができます。
予約内容の変更画面
イベント種別の設定
Cal.comではデフォルトで以下の3つの種別のイベントが用意されています。
- 秘密のミーティング(非公開)
- 30分間のミーティング(公開)
- 15分間のミーティング(公開)
イベント設定の画面から、イベントのタイトル、説明、URLの末尾に使われる文字列、イベントの時間を設定することができます。また、予約者が指定した選択肢から時間を選択できるようにしたり、ミーティングの場所やWeb会議のアプリなどを指定したりすることも可能です。イベント種別は新規追加、削除することも可能です。
イベント設定画面
他システムとの連携
Cal.comは以下のようなシステムと連携させて利用することができます。
外部カレンダーとの連携
外部カレンダーと連携することで、Cal.comで入れた予約を外部カレンダーに登録したり、外部カレンダーで予定が入っている時間帯はCal.comの予約が入らないようにしたりすることができます。NextcloudのCalendarプラグインなどCalDavに対応した外部カレンダーのほか、Googleカレンダーにも対応しています。
Web会議システムとの連携
Cal.comは、JitsiなどのWeb会議システムと連携することができます。イベントの予約時にJitsi Videoを選択することで、予約完了と同時に会議室へのURLが自動で作成されます。
注意点
Cal.comには以下の点に注意して利用する必要があります。
一部機能が有償
Cal.comのソースコードはオープンソースとして公開されており自由に利用可能ですが、一部のソースコードはThe Cal.com Commercial Licenseとなっており有償でないと利用ができません。エンタープライズ版でのみ使える有償機能の例としては以下のものがあります。
- ルーティング: 予約を適切な担当者に配分
- ワークフロー: イベントをトリガーにアクションを実行
- GUIでのユーザ管理操作
- 組織機能
- APIの利用
- Daily.coが提供するビデオ通話サービスCal Videoとの連携
ライセンスの制約
AGPL v3の部分は自由にダウンロードして使用可能ですが、サービスとして提供する場合は一定の制約を伴います。組織内で使用する場合は問題になりにくいですが、組織外の不特定の人に向けてサービスを提供する際などは注意が必要です。
デージーネットの取り組み
デージーネットでは、Cal.comのインストール方法や機能などについて調査を行いました。調査した結果はCal.com調査報告書に掲載しています。調査報告書は無料でダウンロードすることが可能です。
また、Cal.comはNextCloudのカレンダー機能やWeb会議システムのJitsiと連携可能なため、OSSのみを利用してシステムを構築することができます。そのため、利用人数やライセンス費用を気にせずスケジュール管理ツールを使うことができます。デージーネットでは、Cal.comなどのOSSを使ったシステムの構築サービスを提供しています。さらに弊社でサーバを構築したお客様に向けには、導入後の保守サポートも提供しています。
この保守サポートでは、ソフトウェアだけではなくシステム全体の保守を行います。使い方に関するQ&A、障害などの問題発生時の調査、最新のセキュリティ情報の提供など、お客様のニーズに合わせた安心・安全なプランをご用意しています。
情報の一覧
Cal.com調査報告書
Cal.comとは、スケジューリングプラットフォームのOSSです。面接・面談や打合せなどの予約(アポ取り)に利用することが可能です。本書は、ソフトウェアのインストール方法や機能などについて調査をした内容をまとめたものです。
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