システム構築

構築事例:FreeRADIUSとOpenXPKIで実現した電子証明書による認証システム

Open Smart Design

FreeRADIUSとOpenXPKIを組み合わせた認証基盤システムを構築しました。高いセキュリティ要件に対応しつつ、複雑な証明書管理に伴う運用の負担を軽減した認証システムを実現しました。

お客様が悩まれていた課題
高いセキュリティポリシーに適応した認証の仕組みがない
クライアント証明書を使う認証方式を検討したが、証明書管理の知見が乏しく自社開発に不安がある
製品の証明書管理基盤は高額で、予算内に収まらない
+導入企業プロフィール
導入企業業種

製造業

都道府県

埼玉県

ユーザー規模

RADIUS認証対象は数十台規模、将来的に全国展開で数百台規模への拡張を想定

利用OS

サーバ:AlmaLinux 9
クライアント:Windows 11(視聴端末)、Windows系OSを搭載したエンコーダ

導入月

2025年9月

デージーネットが提案した「FreeRADIUSとOpenXPKIで実現した電子証明書による認証システム」

アイコン男性

解決ポイント

FreeRADIUS+OpenXPKIによる認証基盤を提案

お客様は、政府の高いセキュリティポリシーへ対応するため、ネットワーク接続時の認証基盤の見直しを検討していました。クライアント証明書を利用する認証方式(802.1X/EAP-TLS)を視野に入れていましたが、証明書管理に関する知見が少なく、また製品の証明書管理基盤は費用が高いこともあり、OSSを使った認証基盤を構築できないかとご相談いただきました。

そこでデージーネットでは、EAP-TLS認証が可能なFreeRADIUSと、GUIで証明書管理ができるOpenXPKIを組み合わせた認証基盤をご提案しました。

FreeRADIUSは、RedHat Enterprise Linux、Debian、Ubuntuなど様々なLinuxディストリビューションに採用されているRADIUSサーバのOSSです。Wi-FiやVPN装置などの認証でよく使われています。またOpenXPKIは、組織内部だけで利用するプライベート証明書を発行する認証局(CA)を構築するためのOSSです。WebベースのGUIで証明書発行・失効・検索・CRL発行を行うことができるため、証明書管理の運用負荷を大幅に軽減することができます。なお今回は、MACアドレス認証も付随して実装し、EAP-TLSに対応できない機器も認証できるようにしました。

システム構成イメージ

検証環境の構築と手順書の提供も実施

本番環境へ導入する前に、まず検証環境を構築し、EAP-TLS認証の動作を実際に確認するようにしました。また、OpenXPKIのGUI操作手順や設定追加手順をまとめたドキュメントも整備し、お客様が安心して本番環境を運用できる体制を支援しました。

導入にあたっての工夫

導入にあたって、以下を工夫しました。

運用フローに合わせた機能に絞り込み

OpenXPKIは、ユーザからの申請を受けて証明書を発行する、という利用手順を想定した機能がデフォルトで多数存在します。しかし、今回は管理者が証明書を発行する運用のため、必要のない機能が複数存在しました。そこで、運用の利便性を重視し、構成を必要な機能に絞り込みました。

OpenXPKIの日本語翻訳の不具合を修正

最新のOpenXPKIでは、画面の日本語翻訳が英語版と食い違うことが判明したため、導入前に日本語翻訳を行い、より使いやすい状態で提供しました。なお、今回修正した日本語翻訳ファイルはOpenXPKIの公式プロジェクトへも提供し、OSSコミュニティへの貢献にもつながりました。

証明書の失効処理を自動化して運用コストを削減

紛失・漏えいしたなどの理由で利用できない/利用してはいけない証明書が発生した場合、証明書の失効処理を実施します。この時、OpenXPKIで失効処理をした証明書のリストをRadiusサーバに読み込ませる必要がありますが、この運用を手作業で実施するのは負担がかかります。そこで、失効処理を自動化し、証明書管理の運用にかかる負担を削減するようにしました。

実際に使用するネットワーク機器を使った結合試験の実施

お客様が実運用で利用する機器を事前にお借りし、構築・試験の段階で、OpenXPKI、Radiusサーバ、ネットワーク機器、端末を全て接続した状態での結合試験を実施しました。細かい動作を事前に確認したことで、実際の環境での動作検証もスムーズに行うことができました。

導入後の結果

アイコン女性

OSSを組み合わせたことで、お客様の求めるセキュリティ水準を満たしつつ、運用コストを抑えた認証基盤を構築することができました。また、GUI上で証明書管理ができるようにし、運用フローに合わせた機能の絞り込みや失効処理の自動化も行ったことで、更新作業の負担軽減も実現しました。これにより、セキュリティポリシーの遵守と運用効率化を両立し、将来的な拠点追加や機器増設にも対応できる拡張性を確保しています。

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