Canvas LMSのクラウドサービス
学習管理システムのCanvas LMSはクラウドサービス版も提供されています。そのため、WebベースのSaasとしての利用も可能です。ここでは、クラウドサービス版のCanvas LMSの特徴と機能、コミュニティ版との比較などを紹介します。
Canvas LMSクラウドサービスの特徴
Canvas LMSのクラウドサービス版には以下の特徴があります。
サーバの構築・管理が不要
クラウドサービスとして提供されているため、コミュニティ版と違い、自社内にサーバを構築し、運用する必要はありません。また、定期的なリリースサイクルで自動アップデートや機能強化が行われるため、サーバメンテナンスは不要で、夜間にサービスを停止させる必要もありません。そのため、導入時にかかる初期費用やバージョンアップ管理などの手間がかからず、手軽に学習管理システムを運用することが可能です。
モバイルアプリが利用できる
クラウドサービス版では、講師、受講者、保護者向けにそれぞれ専用のモバイルアプリが用意されています。モバイルアプリはAndroid、iOSで提供されており、日本語化もされています。受講者は場所や時間を気にせず課題の提出や成績の確認を行うことができます。また講師も、モバイルアプリ上でテストの採点をしたり、チャットで受講者や保護者とリアルタイムなコミュニケーションを取ることができます。保護者も、自分の子供の学習状況を確認したり、講師とチャットで連絡を取り合ったりすることが可能です。モバイルアプリを利用することで、外出先でも気軽にCanvasへアクセスすることができ、学習をより効率的に進めることができます。
コミュニケーション機能が充実している
クラウドサービス版では、モバイル通知機能、チャットツール、音声メモ、ビデオなど、講師と受講者が円滑にコミュニケーションを取るための機能が用意されています。個々の受講者はもちろん、グループごとでもメッセージをリアルタイムにやり取りすることができるため、受講者同士で共同作業などを行う際にも便利です。
Canvas LMSクラウドサービスのオプション機能
Canvas LMSのクラウドサービスは、コミュニティ版では提供されていない機能をオプションとして追加できる点も大きな特徴です。以下では、Canvas LMSクラウドサービスに追加できるサービスとして、Canvas Studio、Canvas Catalog、Canvas Credentialsを紹介します。
Canvas Studio
Canvas Studioは、動画を活用して学習を効率的に進めるためのツールセットです。単に教材として受講者に動画を見せるだけでなく、動画コンテンツの作成、クイズの埋め込み、動画内でのディスカッションなど、動画を介して受講者の参加を促すためのプラットフォームです。Canvas Studioには、以下のような機能があります。
動画の作成・共有
講義で利用するビデオコンテンツをデバイスから直接アップロードしたり、YouTube、Googleドライブ、Zoom、vimeo等のサービスから動画を追加したりすることができます。また、動画内に小テストやキャプションを埋め込んだり、受講者が視聴中の動画に直接コメントしたりすることもできるため、より積極的な学習を促すことができます。
動画の視聴状況の確認
共有した動画に対して、誰が、どのくらいの時間、どの部分を視聴したかをグラフ等で確認することができます。個人の受講者やグループごとにデータを絞り込むことも可能です。受講者がどのように動画を視聴しているか、よりエンゲージメントの高い動画を提供するのためにはどうすべきかを考える上で、非常に有益な情報となります。
課題の提出
Canvas Studioは、課題の提出方法の1つとしても利用することが可能です。Canvas Studioと連動したSpeedGrader機能を使うことで、提出された動画に対し、講師が受講者ごとにフィードバックを行うこともできます。
Canvas Catalog
Canvas Catalogは、オンライン上で、他の企業や団体が用意した学習コースを紹介するサービスです。公開されているコースには有償・無償のものがあり、Canvas LMSのクラウドサービスを利用する受講者、講師、管理者は簡単にコースを入手することが可能です。このサービスを利用することで、受講者はより専門性の高いスキルを身に付けることができます。また、コースの内容を独自にカスタマイズすることもできるため、学校・企業の教育内容に合わせた学習内容を提供することが可能です。コースやアカウントの管理、進捗状況の確認も直感的な操作で行うことができます。ただし現在は、日本語版のコースは提供されていません。
Canvas Credentials
Canvas Credentialsとは、他の受講者の学習達成度を可視化・共有する機能です。いわゆる学習コースの修了証明書/完了証明書のようなものです。Canvas Credentialsでは、受講者のバッジプログラム取得を支援するため、資格やデジタルバッジを受領した他の受講者がどのようなスキルや知識を学習したのかを共有・提示します。そのため、受講者の目標達成度の向上、モチベーションのアップにつながります。また講師や管理者は、データを参考に受講者のスキルに合わせて学習内容を調整するなど、自身の管理する学習コースに役立てることができます。
クラウドサービス版とコミュニティ版の比較
Canvas LMSは、クラウドサービス版、コミュニティ版の2つの利用形態がリリースされており、選択することが可能です。それぞれで利用する場合の違いを比較しました。
クラウドサービス版 |
コミュニティ版 (デージーネットでシステムを構築した場合) |
|
---|---|---|
ライセンス費用 | 有償 | 無償 |
初期費用・ 構築費用 |
不要 | 必要 |
サーバ管理 | 不要 | 必要 |
ストレージ | 無制限 | ハードウェアによって制約あり |
カスタマイズ | × | ○ |
連携可能な サービス |
あり(API/LTIを利用) | 開発可能 |
サポート | サポートチームが 24時間365日対応 |
デージーネットが提供する 保守サポートあり(※1) |
セキュリティ | AWSに準ずる | デージーネットが提供する セキュリティ情報サービスあり(※2) |
1:デージーネットで構築したシステムは、Open Smart Assistanceという保守サービスに加入することができます。
2:デージーネットでシステムを構築した場合、利用中のソフトウェアに関するセキュリティ情報をご連絡します。また、オプションメニューを利用していただくことで、脆弱性が見つかったソフトウェアのバージョンアップ作業も実施可能です。
なお、デージーネットでは、クラウドサービス版、コミュニティ版の両方に対してサポートを提供しています。お客様の用途やユーザ数、利用環境に合わせて、最適な学習管理システムの運用方法をご提案いたします。
デージーネットの取り組み
デージーネットは、Canvas LMSのクラウドサービスを提供しているInstructure社とパートナー契約を結んでいます。そのため、お客様のご要望に合わせて、クラウドサービス版、コミュニティ版の両方のCanvas LMSをご提案可能です。導入費用に関しては、以下のリンクよりお問合せください。
情報の一覧
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