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3. インストール

本章では、CuMASのインストールおよび環境の初期設定について解説します。

CuMASの導入は、以下の手順で行います。

  1. CuMASの入手と展開
  2. CuMASの環境設定
  3. メールサーバ連携設定
  4. データベース設定
  5. Webサーバ設定
  6. ログ出力設定

3.1. CuMASの入手と展開

CuMASソフトウェアは、CuMASプロジェクトのダウンロードページから入手することが出来ます。

ダウンロードしたのち、圧縮されたアーカイブファイルを展開し、インストールディレクトリに配置します。

# tar xzvf CuMAS-x.xx-x.tar.gz
# cp cumas /usr/local/

展開後のディレクトリおよびファイルの所有者は、Webサーバの実行ユーザである必要があります。

3.2. CuMASの環境設定

CuMASの環境設定を行います。環境設定ファイルおよび遅延通知メールテンプレートを設定します。

3.2.1. cumas.confの設定

環境設定ファイルの設定を行います。入手の節 (■) の手順通りにインストールした場合、環境設定ファイルは次の場所に配置されています。

  • /usr/local/cumas/etc/cumas.conf

また、初期内容は以下のようになっています。環境に合わせて適宜編集して下さい。 各項目の詳細は設定詳細の章 (■) を参照して下さい。

DbServer = 127.0.0.1
DbPort = 5432
DbName = cumasdb
DbUser = cumas
DbPasswd = cumas
SyslogFascility = local4
LinesPerPage = 20
MailSaveDir = /var/cumas/spool
Incomplete = 0,1,2,3
LateDays = 3
StartYear = 2015
SessionTimeout = 6000
HostName = cumas.designet.co.jp
UnknownAttachFileName = Attachment-%s-%s.dat

3.2.2. 遅延通知メールテンプレートについて

環境設定ファイルと同様に、遅延メールテンプレートも標準のものが次の場所に配置されています。

  • /usr/local/cumas/etc/NoticeMail.txt

初期内容は以下のようになっています。WebインターフェースのURLを書き換えてください。

詳細については使い方の章 (■) もしくは設定詳細 (■) を参照してください。

From: 遅延ジョブ通知システム <noreply@localhost.localdomain>
Subject: 【お問い合わせ管理】遅延対応のご連絡

以下のお問い合わせは、進捗が「{$status}」の状態になってから
{$latedays}日以上が経過しています。

カテゴリ        :       {$category}
お問い合わせ番号:   {$contact_no}
顧客名          :      {$sender}
サブジェクト    : {$subject}
主担当者        :       {$user}
依頼日時        :       {$inquiry}
最終更新日時    : {$lastupdate}
開始予定日      :        {$limit}
URL    :    http://example.com/contact_detail.php?id={$co_id}

3.2.3. タスク処理メールテンプレートについて

環境設定ファイルと同様に、遅延メールテンプレートも標準のものが次の場所に配置されています。

  • /usr/local/cumas/etc/ReserveMail.txt

初期内容は以下のようになっています。WebインターフェースのURLを書き換えてください。

詳細については使い方の章 (■) もしくは設定詳細 (■) を参照してください。

From: 遅延ジョブ通知システム <noreply@localhost.localdomain>
Subject: 【お問い合わせ管理】タスク作成のご連絡

以下のタスクが作成されました。

登録者名            : {$operatorname}
登録者メールアドレス: {$operatoraddr}
カテゴリ            :{$category}
お問い合わせ番号    : {$co_id}
件名                : {$subject}
主担当者            :{$user}
依頼日時            :{$inquiry}
内容                : {$body}
備考                : {$comment}
URL                 :http://example.com/contact_detail.php?id={$co_id}

3.2.4. 遅延通知メールの定期チェック

ステータス監視・通知プログラムを定期実行させることで、遅延通知メールを自動的に送信させることができます。それ用のユーザーをサーバに用意し、cronスケジュールを設定させます。

通知チェック用として、cumascheckユーザを作成します。

# useradd cumascheck

cumascheckユーザのcrontabに、以下のように記述します。この例では、毎時15分にチェックされます。

15 * * * * /usr/local/cumas/bin/cumascheck

3.2.5. タスク処理プログラム

タスク登録画面で登録されたタスク(お問い合わせ情報の自動登録)を実行するプログラムです。apacheユーザのcrontabから実行されることを想定します。

apacheユーザのcrontabに、以下のように記述します。この例では、毎時15分にチェックされます。

15 * * * * /usr/local/cumas/bin/cumasreservedtask

3.2.6. メール保存ディレクトリ

メール本文のデータを、環境設定ファイル内、MailSaveDirに記述された領域に保存します。添付ファイルなどのデータは含まれません。 ここで指定するディレクトリは、apacheユーザから書き込みと読み込みが可能である必要があります。

3.3. メールサーバ連携設定(例)

お問い合わせメールをCuMASに登録するために、CuMASの登録プログラムをメールサーバと連携させる必要があります。ここではPostfixのメールエイリアス機能を利用する例を解説します。

サポート用メールアドレスとして、「cumas_support@ドメイン名」、カテゴリ識別名として「cate_id_name」を利用する場合、以下の手順で設定を行います。

Postfix本体の設定を確認します。/etc/postfix/main.cfを以下のように修正します。

recipient_delimiter = +

転送設定を行います。/etc/aliasesファイルに以下を追記します。

cumas_support:      apache+cumas_support

エイリアス設定を適用させます。

# newaliases

CuMASとの連携設定を行います。/usr/share/httpd/.forward+cumas_supportファイルを作成し、以下を記述します。

"| /usr/local/cumas/bin/cumasaccept cate_id_name"

以上の設定を行うことで、宛先(ToやCcなど)に「cumas_support@ドメイン名」を含むメールがCuMASに自動的に登録されるようになります。

これらの設定は、cumasacceptをapache権限で実行するために必要となります。単にaliasとして設定した場合、cumasacceptはnobody権限で実行されてしまいます。

3.4. データベース設定

CuMASで利用するデータベースの設定を行います。次の内容で設定する想定で解説します。

データベース設定例
項目 設定例
データベース名 cumasdb
接続ユーザ名 cumas
接続パスワード cumas

3.4.1. データベース操作ユーザ作成

データベース操作用のユーザーを作成します。以下のコマンド例は、ユーザ名、パスワードともに「cumas」とする場合です。(postgresユーザでのコマンド実行例です。)

# su - postgres
$ createuser -d -P cumas
新しいロールのためのパスワード: cumas

3.4.2. データベース作成

データベースを作成します。以下のコマンド例は、データベース名を「cumasdb」とする場合です。

また、データベースが作成された際に、進捗ステータスおよび初期のログインユーザが同時に登録されます。

進捗ステータスを独自のものに変更する場合、本手順で使用するダンプファイルを編集するか、登録後にデータベースの編集が必要になります。(設定詳細の章 )

初期ユーザについては、全てのインストール手順終了後に、CuMASのWebインターフェースから設定とパスワードの変更を行う事をおすすめします。

$ createdb cumasdb -U cumas
パスワード: cumas
$ psql -d cumasdb -f /usr/local/cumas/etc/cumasdb.sql -U cumas
ユーザ cumas のパスワード: cumas

3.5. Webサーバ設定

CuMASを利用するための設定例を以下に示します。

Alias /cumas/ "/usr/local/cumas/public/"

<Directory "/usr/local/cumas/public">
        Require all granted
        php_value session.name "CuMAS"
</Directory>

このように設定した場合、CuMASのWebインターフェースへは次のURLでアクセスすることができます。

  • http://(ドメイン名)/cumas/login.php

3.6. ログ出力設定

CuMASのログの出力設定を行います。

/etc/rsyslog.d/cumas.confファイルを用意します。以下に例を示します。

local4.*    /var/log/cumas.log

ログファシリティは、環境設定ファイル で設定できます。

3.7. インストール確認

以上のインストールが正常に完了していることは、以下の手順で確認できます。

  • ログイン画面へのアクセス
    • http://(ドメイン名)/cumas/login.php へブラウザでアクセスします。
  • ログイン処理
    • ユーザ名:admin, パスワード:password を入力し、ログインボタンをクリックする。
  • 検索結果表示画面が表示される。

また、ここで初期ユーザの情報を編集することをおすすめします。担当者一覧画面 (■) へアクセスし、設定して下さい。

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