オープンソース

一覧へ

2. 事前準備

2.1. Snipe-IT-Agentを利用するために必要なもの

Snipe-IT-Agentを利用するためには、次のものを準備する必要があります。
  • クライアントにSnipe-IT-Agentを配置
  • クライアントに以下のソフトウェアをインストール
    • Python3.9以上
    • 次のPythonモジュール
      • requests
      • psutil
    • pciutils ※Linuxサーバーの場合
  • Snipe-IT
    • HTTPS通信が必須(Snipe-IT-Agentの設定ファイルに記載するAPIキー(詳細はSnipe-IT-Agentセットアップの章で説明)が、ネットワーク上に平文で漏れないようにするためです)

2.2. Snipe-ITの準備

ここでは、Snipe-ITが利用可能な状態になっていることを前提に説明を行います。
Snipe-ITは、Snipe-IT-Agentがインストールされているホストに同居する必要はありません。
また、Snipe-IT-AgentからHTTPSでSnipe-ITのAPIに接続できる必要があります。

Snipe-ITのインストール方法は公式サイト等を参照してください。

また、Snipe-ITのWEBサーバ設定(ApacheやNginx)にて、以下のようにAPIアクセス制限を設定することも可能です。
例えば、Snipe-IT-Agentの利用を社内ネットワーク内に限定することができます。
<Location "/api/v1/">
    Require ip 192.168.XX.0/24  #ネットワーク帯での許可
    Require ip 192.168.XX.XX    #単一のIPアドレス毎に許可
</Location>
このAPIアクセス制御を設定する際の注意点として、Snipe-IT-Agentを導入するクライアントだけでなく、Snipe-ITを参照するクライアントのIPアドレスも併せて許可設定をする必要があります。
Snipe-ITを参照するクライアントの接続元IPアドレスが許可されていない場合、Snipe-IT上で資産情報を参照できなくなるためです。

2.3. Snipe-ITのカスタムフィールドの準備

Snipe-IT-Agentでは、Snipe-ITに登録された資産情報のうち、カスタムフィールド と呼ばれる追加情報フィールドを利用します。
カスタムフィールドの設定画面への移動は、メニューバーの「設定」から「カスタムフィールド」を選択します。
_images/snipeit_menu1.png

ここで、必要に応じてSnipe-IT-Agentで利用するためのカスタムフィールドを追加します。
「カスタムフィールド」の項目右上にある「新しいユーザー設定フィールド」ボタンを押すことでカスタムフィールドの追加画面へ進みます。
_images/snipeit_menu2.png

表示されている次の項目(入力欄またはチェックボックス)について、次のように設定し、右上か右下のどちらかの「保存」ボタンをクリックします。
他の項目については任意です。(未設定でも問題ありません)
  • フィールド名
    • 下表の例に従い、任意のフィールド名を入力します
  • フォームエレメント(選択式)
    • 下表の指定に従って選択します
  • フォーマット(選択式)
    • 下表の指定に従って選択します
  • ヘルプテキスト
    • 任意の説明文を入力します(空欄でも問題ありません)
  • 「この値はすべての資産で一意である必要があります」
    • 下表の指定に従います(ComputerName項目のみチェック、他はチェックしない)
_images/snipeit_menu3.png

Snipe-IT-Agentでは、次の項目を利用します。
必須項目以外は必要に応じて追加してください。
Snipe-IT-Agentで扱うカスタムフィールド
項目 フィールド名の例 フォームエレメント フォーマット 説明
ComputerName コンピュータ名 Text Box ANY
コンピュータ名
「一意である必要があります」にチェック
必須項目
IPaddr IPアドレス Text Box ANY
IPアドレス
任意設定
※ネットワークデバイスが複数あり、複数のIPアドレスがついている場合は、最初に見つかったものが優先されて登録されます
CPUThreads CPUスレッド数 Text Box NUMERIC
CPUスレッド数
任意設定
MemorySize メモリサイズ(GB) Text Box NUMERIC
搭載されているメモリサイズ(GB表記)
任意設定
DiskSize ディスクサイズ(GB) Text Box NUMERIC
接続されているディスクサイズの合計(GB表記)
任意設定
DiskInfo ディスク情報 Textarea (multi-line) ANY
接続されているディスクの一覧
任意設定
Appli インストール済みアプリケーション Textarea (multi-line) ANY
インストールされているアプリケーションの一覧
任意設定
ComputerInfo コンピュータ情報 Text Box ANY
搭載されているCPUの情報
任意設定
DeviceInfo デバイス情報 Textarea (multi-line) ANY
接続されているデバイス一覧
任意設定
NetworkInfo ネットワークデバイス情報 Textarea (multi-line) ANY
接続されているネットワークデバイスの一覧
任意設定
OSInfo OS情報 Text Box ANY
OSバージョンなどの情報
任意設定

続いて、上記で作成したカスタムフィールドを、Snipe-IT-Agent用のフィールドセットとして登録します。
以下の説明では、新規で「Windows PC」というフィールドセットを追加する手順を例示します。

「管理 カスタムフィールド」画面の「フィールドセット」項目の右上にある「新しいフィールドセット」をクリックします。
_images/snipeit_menu4.png

「フィールドセット名」欄に追加するフィールドセット名を入力し、「保存」ボタンをクリックします。
_images/snipeit_menu5.png

表示された入力欄の左の選択肢から、追加するカスタムフィールド名を選び、「保存」ボタンをクリックします。
すべての項目では、「必須」をチェックする必要はありません。

「保存」ボタンをクリックするたびに、追加したカスタムフィールド情報が表に表示されます。
必要なカスタムフィールドをすべて登録したら、カスタムフィールドの準備は完了です。
_images/snipeit_menu7.png

2.4. Snipe-ITの資産モデルの準備

カスタムフィールドの準備が整ったら、資産モデルにカスタムフィールドを割り付けます。
ここでは、資産モデル「DesigNET PC」を新規追加するのを例に説明します。

サイドバーの「設定」から「資産モデル」をクリックし、型番設定画面を開きます。
_images/snipeit_menu8.png

画面上部の「新規作成」ボタンをクリックします。
_images/snipeit_menu9.png

必要事項を記入します。
特に、フィールドセットの項目で、上記で作成した「Windows PC」を選択します。
製造元、カテゴリー名は、対応するものが登録されていない場合は、「新規」ボタンをクリックしてそれぞれ新たに追加します。
_images/snipeit_menu10.png

必要事項を記入し、右上か右下のどちらかの「保存」ボタンをクリックしたら、資産モデルの準備は完了です。

2.5. Snipe-ITの資産一覧表示項目の調整

資産モデルを準備すると、追加したカスタムフィールドすべてが資産一覧画面に表示されるようになります。
しかしながら、一部情報は複数行で登録されるため、一覧表示上で非常に見にくくなってしまいます。
(一覧表が縦に非常に長くなってしまいます)
このため、複数行で登録される次の情報については一覧表示項目から除外することをお勧めします。
  • ディスク情報
  • インストール済みアプリケーション
  • デバイス情報
  • ネットワークデバイス情報
一覧表示項目から除外する手順は次の通りです。

1. 画面上部のバーコードアイコンをクリックして資産一覧画面を表示し、一覧表右上の表の形のアイコンをクリックします。
  • 一覧表示項目がポップアップし、表示項目にチェックが入っています
_images/snipeit_menu11.png

2. 除外したい情報のチェックボックスのチェックを外します。
  • 上記以外の項目も、一覧表示不要なものはここで外すことができます
_images/snipeit_menu12.png

以上で、Snipe-ITの資産一覧表示項目の調整は完了です。
続いて、Snipe-IT-Agentのセットアップについて説明します。
クライアントがWindows PCの場合は、Windows OSでのSnipe-IT-Agentセットアップ を参照してください。
クライアントがLinuxサーバーの場合は、Linux OSでのSnipe-IT-Agentセットアップ を参照してください。
一覧へ