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4. 複数のWindows PCへまとめてSnipe-IT-Agentを導入するには?

ここでは、Windows OSでのSnipe-IT-Agentセットアップ で説明したSnipe-IT-Agentのセットアップを、ツールを一度実行するだけで行えるようにする方法を説明します。
クライアントのWindows PCが複数ある場合、すべてのクライアントに対して手動で設定していくのは困難です。
本章で説明するSnipe-IT-Agentセットアップ用ツールを作成し、各クライアントに配布することで、簡単にインストールすることができるようになります。

4.1. Snipe-IT-Agentセットアップツール作成

4.1.1. Snipe-IT-Agentソフトウェアアーカイブを展開する

ダウンロードしたsnipe-it-agent-バージョン.zipを、任意の作業用フォルダに展開します。

4.1.2. Python3のインストーラーをダウンロード

Snipe-IT-Agentに必要なソフトウェアをインストールする で使用したPython3のインストーラー(python-バージョン-amd64.exe)を、上記で展開したSnipe-IT-Agentのファイル類と同じ場所に配置します。

4.1.3. 環境設定ファイルを編集する

環境設定ファイルを編集する で実施した内容をもとに、環境設定ファイル(snipe_config.py)を編集します。

4.1.4. Snipe-IT-Agent実行用の情報を取得する

Snipe-IT-Agentの実行確認をする で実施した内容をもとに、資産モデルのIDとフィールドセットのIDを取得します。

4.1.5. Snipe-IT-Agentセットアップツールを作成する

Windows PowerShellスクリプトのファイルを作成します。

Snipe-IT-Agentソフトウェアアーカイブには、「setupSIA_Windows.ps1」というセットアップツールのサンプルファイルが内包されています。
以下の前提で問題なければ、そのままお使いいただけます。
条件をより細かく設定したい場合(タスクの起動時間を指定するなど)は、適宜変更してお使いください。
  • Snipe-IT-Agentの実行設定をする と同様に、「Windows PCを起動してユーザがログオンし、かつネットワークに接続したタイミングに一度Snipe-IT-Agentを実行する」というタスクにする
  • Snipe-IT-Agentは、クライアントPCのユーザのデスクトップに配置する(C:\Users\ユーザ名\Desktop\snipe-it-agentに配置)
  • 使用するPython3のバージョンは13.0(Python3.13.0)
  • 資産モデルのIDが2で、フィールドセットのIDが2、--asset-nameなど他のオプションは指定しない

次の項目については、適宜変更する必要があります。
  • $setupToolPath
    • Snipe-IT-Agentのファイル類やPython3のインストーラーを配置したディレクトリを記載
  • $localAppPath
    • 実際のPython3のバージョンに合わせて記載
  • $installerPath
    • 実際のPython3のバージョンに合わせて記載
  • $pythonPath
    • 実際のPython3のバージョンに合わせて記載
  • $scriptArgs
    • 上記で確認した資産モデルのIDとフィールドセットのIDを記載(他のオプションも利用する場合は記載)

編集する際は、「Windows PowerShell ISE」 または 「VSCode」を使う必要があります。
(メモ帳を使うと、文字化けする可能性があります)

4.1.6. 配布用アーカイブファイルを作成する

次のものをまとめて1つのアーカイブファイルを作成します。
  • Snipe-IT-Agentのファイル類(環境設定ファイル編集済み)
  • Python3のインストーラー
  • 上記で作成したSnipe-IT-Agentセットアップツール

最終的には、次のファイルがすべて含まれるようにします。
  • snipe-it-agent.py
  • snipe_config.py
  • get_models.py
  • get_fieldsets.py
  • python-バージョン-amd64.exe
  • setupSIA_Windows.ps1

4.2. Snipe-IT-Agentセットアップツール実行

上記で作成したアーカイブファイルを、各クライアントに配布します。
配布されたアーカイブファイルを、ローカルフォルダに展開します。
(ここでは、デスクトップ配下に展開する前提で記載します)

ここまで完了した場合、次は実際にSnipe-IT-Agentセットアップツールを実行します。
まず、Windows PowerShellを「管理者として実行」で開きます。

初めてこのようなスクリプトを実行する環境の場合、実行ポリシーの変更が必要な場合があるため、以下を実行します。(必要に応じて"Y"を入力します)
> Set-ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser

アーカイブファイルを展開したディレクトリに移動します。
> cd C:\Users\ユーザ名\Desktop\snipe-it-agent

Snipe-IT-Agentセットアップツールを実行します。
> .\setupSIA_Windows.ps1

うまく実行できた場合、以下のような表示が出ます。
_images/WPS_createtask.png

以上で、Windows PCでのSnipe-IT-Agentのセットアップは完了です。
Snipe-IT-Agentを使ってSnipe-ITに資産情報を登録することで、具体的にどういったことができるのかについては、Snipe-IT-Agentの活用方法 を参照してください。
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