オープンソース

OSSでワークフローを作成できるプリザンター

ワークフローを作成できるシステムを導入することで、稟議書や申請書などの決裁をWeb上で行うことが可能になります。最近では、DXの促進から企業で紙で行われている業務がシステム化され、業務の自動化も行われています。しかしDXを行うためには、低価格で利用できること、誰でもそのシステムが活用できることが重要です。業務アプリケーションを作成できるプリザンターの機能を活用することで、OSSでワークフローのフォームを作成することができます。ここでは、オープンソースのプリザンターで作成するワークフローについて紹介します。

ワークフローとは

ワークフローとは、業務の流れを図で表したものをいいます。今までは、製造業で製品を作成するための作業工程の部分で、工程の流れを表すものとして活用されてきました。企業などでは、書類の流れとして利用されていることが多く、物品や設備の購入、契約書の締結などの稟議が必要な場面でワークフローは利用されています。ワークフローで行う稟議等は紙ベースで行うことがほとんどでしたが、最近では、電子署名が促進され、ワークフローシステムというWeb上でワークフローを行えるシステムが製品として提供されています。例えば、Python製のワークフロー管理ツールや、Googleドキュメントにもワークフロー向けの機能が実装されています。今まで紙ベースで行っていたワークフローをWeb上で行えることで、承認者のいる場所に左右されず、時間も短縮されスピーディーに稟議を行うことができるようになります。

ワークフローとは

ワークフローとは

ワークフローシステム導入のメリット

ワークフローシステムを導入することで以下のメリットがあります。

決裁期間の短縮

ワークフローシステムを導入することで、稟議にかかる決裁期間の短縮が可能になります。ワークフローシステムは、システムにログインすればどこからでも承認することができるため、上司や承認者がテレワークや外出中の場合でも稟議を通すことができます。また、ワークフローシステムは、システム上でワークフローの進捗が一目で確認できます。どこで稟議が止まっているのか、いつ承認されたものなのかも関わる人物すべてで確認できます。フローの一覧が共有されることで、決裁者も承認を素早く行ってくれる可能性が高まります。

業務の効率化

ワークフローシステムでは、紙を印刷する必要や、ファイリング、承認者へ決済の連絡をする必要がなくなります。そのため業務の効率化を行うことが可能になります。またワークフローシステムには、検索機能が付いているものも多く、過去の決裁内容を検索することも可能です。今まで行ってきた決裁内容の一覧もシステム上に表示できるため、過去のものを参考に申請することも可能になります。またシステム内で記入漏れなどをチェックできるように設定しておくことで、記載ミスや手戻りの防止も可能になります。

内部統制の適正化

ワークフローシステムは、あらかじめ決裁担当者やフローを設定しておくことができます。金額や内容でフローや決裁者が細かく代わる場合でも対応が可能です。ワークフローシステムには、人為的なミスを防ぎ、確実にルールに沿った稟議を行うことをサポートする機能があるため、社内の中の稟議フローを統一することができます。また、システムにアクセス制御ができるため不正なフローを無くすことも可能になります。

ペーパーレスの促進

紙を生産するためには、森林伐採が必要です。この森林減少に伴い、地球温暖化への影響などが懸念されています。環境保全への取り組みとしてペーパーレス化が注目されています。ワークフローをシステム化することでペーパーレスの促進が可能になります。社内の紙の購入や印刷代のコスト削減とともに環境に配慮することも可能になります。さらに、紙をまとめたファイルを保管する必要もないため、ファイルなどの備品を購入する経費の削減や保管場所を確保する必要がなくなります。

ワークフローシステムに必要なこと

さまざまな企業からワークフローシステムやツールが提供されています。ワークフローシステムには、利用する企業によっていろいろなフローがあるため、エンジニアでなくてもシステムに簡単に対応できることが必要です。また、ワークフローシステムには、フローの変更にも柔軟に対応するため誰でも簡単に画面が作成できるものがいいでしょう。簡単なワークフローの場合、プログラミングの知識が無くても利用できる、ソースコードを打つ必要がないノーコードやローコードを利用して、簡単に自作できるシステムの導入がおすすめです。そして高度な処理が必要な場合では、プログラミングを利用して拡張できる機能やAPIを利用して、グループウェアなど他のシステムと連携できるようなカスタマイズができるシステムを検討する必要があります。

OSSでワークフローを行うメリット

ワークフローシステムというと今までプログラムでの開発が必須でした。また、違うフローを追加するごとに1つずつプログラムの開発が必要でした。多くの開発が必要になることで、費用面や手間がかかり導入を躊躇する場合があります。しかし、OSSのローコードプラットフォームでワークフローを導入することで、プログラミングを必要とせず、技術者でなくても簡単なフローを作成、登録することが可能です。また、ローコードプラットフォームは、アプリを作成できるツールのため、細かい設定を行うことも可能になります。そしてクラウドサービスではなく、ライセンスがフリーなOSSのため、アプリの開発費を抑え、低価格で導入できます。さらにユーザー数に囚われずアプリの作成、運用が可能となります。

ワークフローを実現できるプリザンター

プリザンターは、オープンソースソフトウェアとして公開されているローコード開発プラットフォームで、基本は業務アプリケーションを開発するためのツールとして利用されています。更にプリザンターでは、「プロセス機能」や「状況により制御できる機能」を利用してワークフローを実現することが可能です。プリザンターのバージョン1.3より最新のものでは、プロセス機能が実装されました。このプロセス機能により、ワークフローのような状態遷移をともなうアプリをコードを書くことなく開発することができます。もちろん、プリザンターは、オープンソース版を利用してオンプレミスで構築することができます。そのため、機密文書を取り扱うワークフローの場合でも、セキュリティ面で安心して利用することができます。

申請画面

ワークフロー申請画面

ワークフローでできること

プリザンターのワークフローでは、フローが一方的であったり、承認ステップが比較的少ない仕組みであれば簡単に作成することが可能です。例えば、物品購入の稟議申請の場合、金額によって承認者の数を変更したり、承認の担当者を変更するフローに設定することができます。また、差戻や取り下げ、経理部への回覧もプラスの設定として追加することが可能です。

ワークフロー例

物品購入のワークフロー例

プリザンターのプロセス機能

プリザンターのプロセス機能では、ワークフローの矢印の部分である流れを設定します。条件づけをして行いたいフローを作成していきます。プロセス機能では、ワークフローで想定される状況の変化を柔軟に行うことが可能になります。特定の項目が入力されたら、データを変更することや、特定のユーザの特定のアクションで通知すること、部門や職責に応じてデータ更新に融通をきかせる設定も行うことが可能です。

プリザンターの状況による制御機能

状況による制御機能では、状況ごとに、誰に何を、どう表示させるのかを設定します。組織やグループの権限や、入力されたデータ項目があってるか整合性をとります。制御したい権限と組織・グループが合っているか確認するためこの部分では設計が必要となります。

ワークフローの手順

ここからは、プリザンターで作成するワークフローについて紹介します。プリザンターでは、以下のフローでワークフローアプリを作成します。

  1. ユーザの準備
  2. テーブルの作成
  3. プロセスの作成
  4. アクセス制御
  5. 状況による制御
1.ユーザの準備

まずは、ユーザをプリザンター内で準備します。部署はプリザンターの「組織」で管理し、ワークフローで関わる部署を作成します。また職位は、プリザンターの「グループ」で管理し、必要なユーザの職位を作成します。

ユーザー作成

ユーザ作成画面

2.テーブルの作成

プリザンターには、テンプレートが各種用意されており、テンプレートを利用してテーブルを作成することができます。「人事・総務」カテゴリには、「稟議書」テンプレートも存在するためそれを活用することも可能です。

テーブル作成

テーブル作成画面

3.プロセスの作成

各プロセスではどの状態からどの状態へ遷移するか、入力値を検証する項目、遷移時にデータを変更する項目、プロセスを実行できるユーザの制御などを定義します。プロセスを定義することにより、ワークフローの画面に「経理へ申請」「取り下げ」などのボタンを作成できます。

プロセス作成

プロセス作成画面

4.アクセス制御

アクセス制御の設定画面にて、テーブルやレコードへのアクセス制御を定義します。すべてのユーザがアクセスし、申請できるように設定することや、該当の部署が承認や取り下げができるような設定が可能です。

レコード作成

レコード作成画面

5.状況による制御

「状況による制御」にて、各状態におけるアクセス制御を定義します。状況によって読み取り専用にすることや、操作の制限を行うことができます。

制御作成

状況による制御作成画面

デージーネットの取り組み

デージーネットは、プリザンターの認定パートナーです。販売/提案、教育、導入/開発、サポートなどの技術サポートを提供しています。その他、独自の運用マニュアルの作成など、必要に応じた技術サービスを提供します。今回、プリザンターのワークフローについて調査検証を行いました。詳しい情報は、Pleasanterによるワークフローアプリ作成調査報告書に掲載しています。

「情報の一覧」

Pleasanter調査報告書

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本書はPleasanterについて調査しまとめたものです。インストール方法やアプリケーションの作成方法、他のアプリケーションからの連携などについて記載しています。無料でダウンロードが可能です。

Pleasanterによるワークフローアプリ作成調査報告書

無料資料ダウンロード

Pleasanterにはバージョン1.3にて「プロセス機能」が実装されました。プロセス機能を利用すると、ワークフローのような状態遷移をともなうアプリをコードを書くことなく開発することが可能です。本書はPleasanterによるワークフローアプリ作成についてまとめたものです。

CarboneJS調査報告書

無料資料ダウンロード

Carboneとは、PDFなどのドキュメントテンプレートとJSON形式のデータを組み合わせてドキュメントを生成するライブラリです。本書は、CarboneJSについて調査した内容をまとめたものです。

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ローコード開発比較

ローコードとは、プログラミングをほとんど使わずにアプリケーションを作成する手法のことです。ここでは、OSSのローコード開発ツール・プラットフォームを比較・検討します。

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