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ワークフローとは

ワークフローとは、業務に関わる一連の流れ、もしくはその流れを図式化したもののことである。従来は広い意味で使われていたが、特に近年は、企業や組織の内部で「誰が何を申請し、確認や承認をし、決裁や意思決定をするのか」といったような一連の流れを表す言葉として、ワークフローという言葉が使われることが多い。例えば、社内の経費申請や稟議申請、人事諸届などの業務でワークフローが発生する。担当者が申請書を作成し上長へ申請、上長が承認したものを部長が承認、部長が承認したものを経理部が承認・決裁するといったようなワークフローが考えられる。

ワークフローは企業や組織によって様々で、複数のパターンが存在する。 申請内容や条件によっては、承認の経路、回数が変化することも多い。例として、部署内で物品を発注する際、以下のようなワークフローが考えられる。(図1参照)

  • 発注金額が5万円未満の場合
    1. 申請者から課長へ申請
    2. 課長の承認後、経理部へ申請
    3. 経理部の承認により完了
  • 発注金額が5万円以上の場合
    1. 申請者から課長へ申請
    2. 課長の承認後、部長へ申請
    3. 部長の承認後、経理部へ申請
    4. 経理部の承認により完了

ワークフローイメージ

図1.ワークフローのイメージ

このように、ワークフローは、組織内であらかじめ決められた特定のルールやプロセスに沿って進行する場合が多い。ワークフローを定義しておくことで、承認フローが複雑に変化する場合でも迅速に意思決定を行うことができる。また、作業の抜け漏れ防止にも繋がる。

紙のワークフローの問題点

紙の書類で運用されるワークフローには、以下のような課題がある。

書類の準備に時間がかかる

紙の書類でワークフローを進める場合、Excelなどを使って申請書や稟議書のフォーマットを一から準備する必要がある。各種書類は用途によって細かく種類が分かれている場合が多く、どのフォーマットを使用すればよいのか判断するのに時間がかかってしまう。また、もしフォーマットを間違えてしまったり、記入漏れやミスがあったりした場合、始めから作成し直す必要がある。

外出時・出張時に申請が滞る

紙ベースによるワークフローで承認依頼を出した場合、承認者・決裁者が外出中や出張中、在宅勤務などのリモートワーク中などで社外にいると、書類を確認できなかったり、押印することができなかったりするため承認作業が滞りがちである。そのため、最終的な決裁や意思決定までに時間がかかり、業務をスピーディーに進められない。また、紙での回覧は、現在どの承認者の回答待ちなのか進捗状況が把握しにくく、承認者へ都度確認を取る必要がある。

手間とコストがかかる

紙のワークフローでは、申請書や稟議書、帳票等の各書類を印刷・ファイリングする作業や、ファイルの保管場所を確保するといった手間が発生する。そのほか、保管した過去の書類の中から、求めている書類を探しにくいといった問題もある。紙でワークフローを運用して、最終的に決裁後は社内システムへ申請内容を入力して管理するというケースもあるが、数多くの申請を捌く決裁者にとっては、手書きの文字の識別や入力作業に手間と時間がかかり、業務負担が大きくなってしまう。 また、郵送などで書類をやり取りする場合、時間的・費用的なコストもかかる。結果として、これらの負担は業務の生産性の低下にもつながってしまう。

ワークフローシステム導入のメリット

上記のようなデメリットを解決するひとつの手段として、ワークフローの電子化が挙げられる。ワークフローシステムは、申請や承認の流れをデジタル化し、オンライン上で申請や承認をすることで、業務の一連の作業や手続きを一元管理できる。ワークフローシステムは、業種や職種を問わず様々な企業や組織で導入事例が増えてきている。最近では、電子署名の導入が急速に進み、製品として提供する会社も多い。例えば、Python製のワークフロー管理ツールや、Googleドキュメントにもワークフロー向けの機能が実装されている。ワークフローシステムの仕組みを導入することで、主に次のような6つの点でメリットがある。

業務効率化

ワークフローシステムでは、申請書等の各種書類を電子化し、申請・承認・閲覧をシステム上で行える。申請者は、テンプレートなどから目的に合った申請フォームを選択し、形式に沿って必要事項を入力する。過去のデータや履歴を参照・流用したり、ExcelやPDFなどの他のツールと連携してデータを共有したりすることで、入力作業が容易になる。これにより、作業時間の短縮、入力ミスの防止にも繋がる。入力項目に誤りがあった場合は次に進むことができないように、自動チェックの機能を設定することもできる。そのため、修正や差し戻しといった無駄な作業を省き、申請者・承認者の業務負担を軽減する効果が期待できる。

ワークフローの可視化

パソコンやモバイル端末から管理することで、申請や承認にかかわる関係者やそれぞれの役割分担、一連の流れを画面上で可視化することができる。そのため、PCなどから承認状況の進捗をいつでも表示・確認することができるので、承認プロセスがスムーズに進んでいくなど、業務の停滞を防ぐ効果がある。また、業務に問題があった場合は、可視化されたワークフローを客観的に評価・分析することで、体制の見直しなど改善へ向けた取り組みを実施しやすいというメリットもある。

決裁スピードの迅速化

ワークフローシステムを導入することで、紙の申請書等の作成や輸送にかけていた時間を短縮し、迅速に承認者へ回付することができる。申請内容はWeb上で確認できるため、承認者が社内にいなくても、外出先からパソコンやスマートフォンを使ってその場で承認の可否を決定することができる。このように、担当者不在で承認が滞ることもなく、時間や場所の制限なく申請をしたり、承認を得ることができるため、最終的な決裁や意思決定までにかかる期間を大幅に短縮することが可能である。

ペーパーレス化の促進

申請書等の書類を電子化することによって、用紙やインクにかかる印刷コスト、郵送などの輸送コスト、メールやFAXなどの通信コストを削減することができる。ペーパーレス化のメリットはコスト削減だけでなく、環境保護やSDGsへの取り組みとして捉えることで、企業イメージの向上にもつながる。また、文書の保管に伴うスペースの確保や整理、ファイリングの作業もなくなり、もちろんこれらの書類を紛失する心配もない。さらに、文書データのファイル名などをシステムで検索すればすぐに過去の申請を探すことができ、書類の管理がしやすくなる。

内部統制の強化

システムの中で申請から承認までを一元管理することで、業務手続きの手順の統一、ルールの順守、不正な改ざんの防止にも効果的である。また、過去の申請データが残り、いつ、誰が、どのような申請・承認を行ったかといった情報を確認・検索することができるため、監査業務の効率化を図ることができる。

多様な働き方へ対応

近年、働き方改革や新型コロナウイルスの影響によりテレワークを推進する企業が多くなる一方で、紙の書類を提出したり印鑑を押すために出社せざるを得ないというケースも少なくない。申請や承認がシステム上で完結すれば、紙の文書やハンコが不要になり、「いつ」、「どこで」といった制約なく手続きを処理することができる。そのため、時間や場所に縛られない多様な働き方にも柔軟に対応することができる。

ワークフローシステムの選び方

近年、DX化や働き方改革への取り組みを進める企業が増え、ワークフローシステムも注目されていることから、さまざまなツールやサービスが提供されている。中には、Microsoft TeamsやLINE WORKSなどのビジネスチャットツール、Google Workspaceなどグループウェアなど、外部の各種サービスと連携できるツールもある。導入を成功させるためには、導入前に会社の規模や利用環境、運用ポリシーを考慮し、それに合わせた適切なシステムを導入する必要がある。具体的に以下のようなポイントを重視することをおすすめする。

自社に必要な機能があるか

利用するツールやソフトは、高機能であればあるほど便利とは限らない。機能が豊富すぎて複雑化し、仕事の流れがかえって分かりにくくなってしまっては、本来のワークフローシステムの目的を果たすことができなくなってしまう。

例えば、リモートワークや外出する社員が多い企業であれば、スマホやタブレットなどのモバイルに対応しているかどうかを確認する必要がある。また、重要な機密文書を取り扱う企業であれば、情報漏えいなどのリスクが少ないセキュリティ性の高いサービスやツールを選ぶ必要がある。このように、自社の課題を洗い出した上で、その課題を解消する必要な機能を取捨選択することが重要である。

柔軟にカスタマイズができるか

利用する企業によって、承認ルートの分岐や承認の回数も様々である。そのため、条件や申請内容ごとに変化する独自の承認ルートを、柔軟に設定できるかどうかも大きな判断基準となる。また、専門的な処理が必要な場合にプログラミングを使って拡張することができるか、APIを利用してグループウェアやデータベース、シングルサインオンなど他のシステムと連携することができるかなど、より高度なカスタマイズに対応しているかどうかも検討しておくとよい。

誰でも簡単に使うことができるか

申請や承認といった作業は社内の様々な部門で行われ、幅広い従業員が担当すると想定される。そのため、システムを導入し定着させるには、エンジニアのように専門的な知識を持ったユーザーでなくても簡単に操作できるツールの使いやすさが求められる。申請や承認といった基本の作業だけでなく、フローの変更に伴う画面の作成や設定の変更など、管理者側の操作も簡単にできるかどうかが重要である。

デージーネットの取り組み

上記で解説したような選定ポイントを踏まえて、既存のワークフローを見直した上で、自社の用途に合った最適なシステムを選び導入することが大切である。一方、独自でツールを開発するという方法もあるが、開発にはプログラミングの専門的なスキルが必要となる。

デージーネットでは、ワークフローシステムを実現できるオープンソースソフトウェアとしてPleasanterを調査・検証した。Pleasanterは、バージョン1.3にて「プロセス機能」が実装された。この機能を活用することで、ワークフローのような状態遷移をともなうアプリを、従来のようなプログラミングのコードを使わずに、ブラウザ上の操作のみで開発することが可能である。そのため、プログラミングに慣れていない人でも、用途に合ったワークフローシステムを独自で作成することができる。さらにクラウドサービスとは異なり、ライセンスがフリーなOSSのため、開発費を抑え、低価格で導入が可能となる。デージーネットは、プリザンターの認定パートナーである。独自の運用マニュアルの作成などのほか、必要に応じた技術サービスを提供している。アプリケーションの詳細な作成方法は、調査報告書にまとめている。この調査報告書は無料でダウンロードが可能である。

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