Linstorとは

Linstorとは、LINBIT社が開発を行っているディスクミラーリングソフトDRBDの管理ツールです。Linstorを利用することで、DRBD SDSの管理を容易かつ安定して行えるようになります。

従来のDRBD管理

DRBDバージョン8の場合、設定は基本的に設定ファイルを編集して行っていました。この管理方法は、管理対象のデバイスが少ない場合には、特に問題はありませんでした。

ただDRBDバージョン9から追加されたSDSの機能では、DRBDで多くのデバイスを管理することになります。そのため従来の管理方法では、実質管理ができなくなりました。

そのためこの課題を管理するために、drbdmanageと呼ばれるツールが開発されました。

drbdmanageの問題

drbdmanageはコマンドラインでの操作によって、複数のサーバのDRBD SDSの設定を行うためのツールです。DRBD SDSの複雑な設定をコマンドラインで行えるため、管理が容易になりました。

一方で、内部で利用しているD-BUSの通信や、分散データベースの問題で、動作が不安定になるという課題がありました。

Linstorの登場

Linstorはdrbdmanageの課題を解決するために開発されました。Linstorには、動作の安定性を高めるために次のような対策が行われています。

• 安定性のある埋め込みSQLデータベースを採用
• 処理の例外が発生しにくい静的型付け言語（Java）をサーバサイドプログラムに採用
• 独自の通信プロトコルにより安定性を向上

この改善により、Linstorは安定して利用可能になりました。しかし、現状は他のシステムから利用するためのインタフェースがまだ整っておらず、開発が続いています。

デージーネットの取り組み

LINBIT社が開発を進めているOpenStackとLinstorをつなぐドライバの検証を行っています。仮想マシンのライブマイグレーションにも成功しているため、ドライバの開発が完了次第、OpenStackのバックエンドにDRBD SDS/Linstorが利用できるようになります。