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Xenとは

Xenとは、最も古くから存在する、Linux上で仮想化を実現するためのソフトウェアである。ケンブリッジ大学のコンピュータ研究室で開発され、現在は、Xenコミュニティが開発・管理を行っている。Xenは、GPLv2ライセンスで、オープンソースソフトウェアとして公開されている。

Xenは、次の2つのコンポーネントから構成される。

  • ハイパーバイザー(Domain 0)
    Xenの中核となるコンポーネントで、ハードウェアへのアクセスを統合管理する。また、ゲストOSの切り替えや、ユーザのゲストOSへのアクセスなども管理する。Linux、NetBSD、Solarisの修正版などで動作する。
  • ゲストOS(Domain U)
    Xenの仮想上で動作する仮想コンピュータ上のOSをゲストOS(Domain U)と呼ぶ。
ゲストOSは、次の2つのモードで動作する。

  • 完全仮想化
    Interl VT-x、AMD-VのようなCPUの仮想化支援機能を使って動作するモード。ハイパーバイザーがデバイスを完全にシミュレーションすることで、特別な機能の追加などをしなくてもWindowsが動作する。他の仮想化ソフトウェアでも一般的なモードである。
  • 準仮想化
    CPUの仮想化支援機能を使わずに動作できるモード。ゲストOSには、Xen用の特別なデバイスドライバをインストールする。専用のデバイスドライバを使うことで、仮想化によるオーバーヘッドを最小化し、高速に動作する。
完全仮想化と準仮想化を区別して使うことで、性能を追求することも可能で、さらに広範なOSに対応できるのがXenの特徴である。

Xenには、シトリックス・システムズ社がXenServerとして販売するバージョンがある。こうしたバージョンを使えば、商用のサポートも受けることができる。また、Windowsが採用している仮想化基盤であるHyper-Vは、Xenをベースに開発されている。シトリックス社、マイクロソフト社は、ハイパーバイザーを共同開発しているため、動作するゲストOSが同じであるなど共通点も多い。

なお、Xenは当初、Linuxの仮想化ソフトウェアとしては標準的で、RedHat Enterprise Linux 5などで採用されていた。しかし、同じ仮想化ソフトウェアであるKVMが、Linuxカーネル内に先に統合された。RedHat Enteprise Linux 6では、KVMが正式に採用され、Xenは採用されなかった。しかし、その後、Xenもカーネルのメジャーラインに統合されている。

日本国内では、商用LinuxではRedHat Enterprise Linuxが最も利用されていることから、XenよりもKVMを使う機会が増えている。ただし、KVMは、Xenでいう準仮想化を限定的にしかサポートしていない。そのため、Xenの方が適用分野が広く、用途によって使い分ける必要がある。クラウド基盤としても、Xenが採用されているケースは多い。

【カテゴリ】:仮想化  オープンソースソフトウェア  

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