オープンソース

オンプレに構築できる動画配信サーバのOSS〜AVideo〜

近年、テレワークの普及によって動画の活用用途が広がり、Web会議や研修等で動画を録画する機会が増えています。会議や研修に参加できなかったり後日内容を振り返りたい場合に、録画した映像を確認するため、動画を分かりやすく管理・運用する必要があります。また、外部への配信機能を利用し、社外向けのセミナーや会社説明会などのイベントを動画配信するニーズも高まっています。ここでは動画配信や動画管理ができるオープンソースソフトウェアのAVideoを紹介します。

目次

動画配信サーバとは

動画配信サーバとは、いわゆる動画のストリーミング配信ができるサーバのことです。視聴者が必要な時(オンデマンドで)動画を選んで閲覧することができます。ファイルサーバに動画ファイルを置いて、ファイルをダウンロードするダウンロード型の配信とは異なり、端末にデータを保管しないため、クライアント側のストレージ容量を消費しません。また、勝手に再配信されて流出したりする可能性が少なく、重要な情報を含む動画も 安心して配信することができます。

動画配信サーバを利用することで、例えば、ウェビナーや研修の録画を管理したり、録画した動画を配信したりすることができます。そのため、ウェビナーや研修に参加できなかった人へ後日録画を見てもらったり、後から動画を振り返ったりすることができます。動画を活用した情報共有を効率よく行えるだけでなく、ビジネスシーンでは打ち合わせや商談などを録画し保管しておくことで、上司や他のメンバーが打ち合わせ内容を確認する際にも役立ちます。部下への指導を行うなどの社員教育にも活用することができます。

動画配信サーバのAVideoとは

AVideoとは、オープンソースの動画配信サーバです。撮影・録画した動画を、ストリーミング配信することができます。また、ライブ配信ソフトウェアと連携させてAVideo内でライブ配信を行うことも可能です。動画の再生はWebブラウザ上で行うため、PCだけでなくスマホでも動画を視聴することができます。AVideoは、Json Licenseのもとで、オープンソースソフトウェアとして提供されています。

AVideoイメージ

AVideoの特徴

AVideoを活用することで、動画配信を行うことができます。以下のメリットがあります。

動画をオンプレミス環境で管理、配信できる

社内研修や商談、動画マニュアルなどでは、個人情報や社外秘の機密情報も取り扱う可能性があります。こうした場合、クラウドの動画配信サービスでは情報漏えいの心配があります。一方で、AVideoは、オンプレミス環境にもサーバを構築することが可能です。自社専用の動画配信システムを構築することで、情報漏えいリスクも少なくなります。そのため、セキュリティも安心して動画データを管理・共有することが可能です。

ユーザ数の制限なく利用可能

AVideoはオープンソースソフトウェアであるため、ユーザ無制限で利用することができます。基本的にかかる費用はシステム構築時の初期費用のみで、一度導入してしまえば月額料金などは発生しません。そのため、ユーザ数などによって料金が変わるクラウドサービスと比べると、コストを抑えながら使い続けることができます。

動画の視聴状況が確認できる

例えば、在宅勤務やテレワークなど離れている場所から研修を受講したり、業務で利用する操作手順などのマニュアルを視聴したりする場合、ユーザがどこまで動画を視聴したかを管理者が把握しにくいといった問題があります。AVideoでは、ユーザがいつ動画を視聴したのか、動画全体の何%まで視聴したのかを、管理者側で確認することができます。そのため、受講の進捗管理や分析を行いやすく、社内教育を効果的に進めることができます。

社外の人への動画配信ができる

AVideoには、一般公開機能という機能があり、動画のURLを教えることで誰でも動画を視聴できる設定があります。また動画にパスワードを付け、パスワードを知っている人限定に公開することも可能です。この機能を使い、社外向けのセミナーや採用での会社説明会などの動画配信をすることも可能です。

AVideoの機能

AVideoは以下のような動画配信に必要な機能を備えています。

動画の参照・検索

接続すると動画配信のギャラリービューが表示されます。ギャラリービューでは、トレンドや最も多く見られたビデオ、カテゴリ別などで動画の並びかえられ表示されています。また検索バーから動画の検索も可能です。ページは、レスポンシブデザインで作成されており、ウェブブラウザの画面サイズにあわせて柔軟に表示されます。

動画参照・検索イメージ

動画の再生・アップロード

ギャラリービューに表示されている動画のサムネイルをクリックすると、動画再生ページが表示されます。動画再生ページでは、専用の動画ビューアがブラウザ内に起動され、動画の再生を行うことができます。図のように再生速度のコントロール、音量の調整、最大化などの機能を使うことができます。

動画アップロードの権限を持つユーザでログインすると、ページ右上部に動画アップロードボタンが表示されます。動画アップロードボタンを押すと、動画アップロードのページが表示されます。タイトル、解説、カテゴリ、参照を許可するユーザグループを指定し、Start Uploadボタンを押すと、動画の情報が登録され、アップロードが開始されます。アップロードされたファイルは、AVideo-EncoderによりAVideoで利用できる形式にエンコードされ、所定のディレクトリに配置されます。参照を許可するユーザグループを指定しない場合、すべてのユーザに参照が許可されます。

動画再生・アップロードイメージ

動画の評価・コメント投稿機能

動画再生ページでは、動画に対して評価を行ったり、コメントを記載したりすることができます。動画投稿者は利用者からのフィードバックを受けることができ、次の機会の動画作成や投稿に役立てることができます。

ダッシュボード機能

動画のアップロード権限を持つユーザは、ダッシュボードの機能を利用することができます。ダッシュボードでは、動画配信の統計情報を表示することができます。自身でアップロードした動画がどれくらい視聴されているかなどを確認することができます。

ダッシュボードイメージ

アクセス制限機能

「管理者」「動画投稿も可能なユーザ」「視聴するだけのユーザ」と動画配信の公開範囲を制限することが可能です。指定したグループだけに公開することもできます。またユーザ専用視聴機能という機能があり、システムにログインした人だけが動画を視聴することができます。そのためシステムにアカウントのある人だけに視聴させることも可能です。

自動エンコーディング機能

ウェブインタフェースから動画をアップロードすると、自動的に動画がエンコードされて配置されます。利用者は特別な知識がなくても、簡単に動画をアップロードすることができます。

エンコードイメージ

ロゴやデザインのカスタマイズ

ぺージに表示されているロゴや全体のデザインも変更することができます。デザインはテンプレートがいくつか用意されていてユーザーの好みのものに変更が可能です。

カスタマイズ1イメージ

[Netflix]

カスタマイズ2イメージ

[United]

AVideoのプラグイン

AVideoには、プラグインの機能があります。多くのプラグインが標準でインストールされており、使用したいプラグインを有効にすれば利用できます。また、プラグインストアで有料のプラグインを購入して適用することも可能です。プラグインにはAPIやLDAP認証のプラグインがあります。

Avideoのおすすめ利用シーン

AVideoでは、さまざま場面で利用することができます。以下のような課題を持っている方へおすすめしています。

  • 作業の手順をリモートワークで教えるのが手間

    リモートワークをしている人へ文字や口頭で手順を教えるのは時間がかかったりと手間があります。しかし作業の手順を動画で撮り保管しておくことで、リモートワーク中でもその動画をみて作業を行うことができます。動画は流用ができるので、教えるという作業がなくなり業務の効率にもつながります。

  • Web会議の録画機能があるが撮った動画を上手く活用できていない

    Web会議などの打ち合わせで撮った動画を保存しておくことで議事録の代わりになります。さらにその動画を上司がレビューして部下への指導に使うことで同行する手間もなくなります。

  • リモートワークの人に研修が行えない

    社内研修の動画を保管しておくことでリモートワークの人へ動画を見せることができます。アクセス制限の機能があるので、研修に参加した人でグループを作りその人達だけに動画を視聴してもらうことも可能です。視聴したかの確認も行うことができます。

デージーネットの取り組み

デージーネットでは、AVideoを使用した動画配信サーバの構築を行っています。また自社内でも動画配信サーバを利用して、定期的に外部向けセミナーを実施したり、社内の技術研修の動画を管理しています。また、テレワーク中の社員が、技術的な調査を行う時に、社内公開されている技術研修の動画を参照するというケースもあります。資料だけではわかりにくいことでも、動画を参照することですばやく理解することができ、業務の効率化を期待できます。インストール方法や詳細な情報は、AVideo調査報告書に掲載しています。

OSSのeラーニングシステム

デージーネットでは、AVideoと学習管理システムCanvas LMSを連携させたeラーニングシステム「LearNET(ラーネット)」を開発しました。LearNETは、動画視聴の履歴を参照できるWebUIがあり、ユーザがどれくらい動画を視聴したのか一覧で確認することが可能です。学習の管理と動画などの教材の視聴がこのシステム内で完結します。また、シングルサインオンのOSS Keycloakと連携しているので1度のログインですべてのシステムを利用することが可能になっています。

「構築事例/情報の一覧」

AVideo調査報告書

無料資料ダウンロード

ウェブブラウザを使用して、動画の配信を行うことができます。Json Licenseのもとで、オープンソースソフトウェアとして公開されています。AVideoの詳細についての調査報告書は無料でダウンロード可能です。

動画配信システムAVideoを利用した社内の動画活用事例

構築事例(AVideo)

デージーネット社内で活用している動画配信システムAVideoの導入事例です。弊社では、AVideoを使用して動画の管理を行っています。動画を活用することで技術者のスキルの向上や採用活動の多様化に繋がっています。

社内向け動画配信サーバ構築事例

構築事例(AVideo)

研修用の動画や社内広報の動画を、閲覧するための社内用動画配信サーバを構築しました。お客様は、社内で動画を扱う場面が多いものの、ファイルサーバに動画を保管しており、動画の視聴状況が把握できていませんでした。また、社外秘の動画が多く、セキュリティ上クラウドサービスの利用が難しいという課題がありました。

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もっと使い方が知りたい方へ
操作方法や操作性をデモにてご確認いただけます。使い方のイメージを把握したい、使えるか判断したい場合にご活用下さい。デモをご希望の方は、下記よりお申込みいただけます。

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デモの申し込みイメージ

OSS情報「動画の配信・管理システムAvideo」

OSSの動画配信サーバ〜AVideo〜
ここでは動画の管理や配信ができるオープンソースソフトウェアのAVideoを紹介します。
プラグイン〜AVideo〜
AVideoには、多くのプラグインの機能があり標準でインストールされています。ここではAVideoのプラグインについて紹介します。
動画のライブ配信機能〜AVideo〜
動画配信の方法として、オンデマンド配信とライブ配信の2種類があります。ここでは、AVideoのライブ配信機能について紹介します。
AVideo管理者マニュアル
ここでは、デージーネットで独自に作成したAVideoの管理者向け利用マニュアルを紹介します。
AVideo利用者マニュアル
ここでは、デージーネットで独自に作成したAVideoの利用者向けマニュアルを紹介します。

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