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Rocky Linuxとは

Rocky Linuxとは、CentOSの代替として、RHEL(Red Hat Enterprise Linux)と100%の 互換性を保つような設計を目指して、コミュニティ主導で開発されているLinuxディストリービューションである。Rocky Linuxという名称は、初期のCentOSプロジェクトの共同開発者であるRocky McGaugh(ロッキー・マクガウ)という人物の名前から抜き取って、Rocky Linuxと名づけられた。

Rocky Linuxの特徴

Rocky Linuxの特徴は以下である。

コミュニティ主導のプロジェクト

Rocky Linuxの1番の特徴は、コミュニティ主導かつコミュニティの育成に力を入れていることである。コミュニティ主導のため、特定の組織の方針に左右されにくい。また、コミュニティ主導のプロジェクトなので、企業の利益や販売方針の影響を受けずに、フォーラムやチャットと言ったコミュニティに自由に参加しやすい体制となっている。

CentOSと同様の使用ができる

Rocky Linuxは、無償で利用可能なRHELクローンであり、CentOS Linuxと同様にRHELの有償部分を除いて互換性がある。このためCentOS Linuxと同様の利用が可能となっている。

Rocky Linuxの歴史

2020年12月8日にThe CentOS Projectは、Red Hat Enterprise Linuxの本番用ダウンストリームバージョンであったCentOSの開発を中止し、「CentOS Stream」の開発に注力すると発表した。これにより、CentOSの創設者であるGregory Kurtzerは、CentOSの初期の目標を達成するためのプロジェクトを開始すると発表した。 そうして、CentOSに変わって新しいLinuxディストリービューションであるRocky Linuxが誕生した。2022年7月には、Rocky Linux 9がリリースされている。これは、2022年5月にリリースされたRHELの メジャーアップデートであるRHEL9に対応したものである。

Rocky Linuxの方針

Rocky Linuxは、RHELのダウンストリートビルドであること、コミュニティ駆動型で開発されるOSであること、エンタープライズ環境での堅実で安定性があること、これら3つをRocky Linuxのユーザにアナウンスしている。

Rocky Linuxの総合評価

Rocky Linuxは、正式リリースが遅れたことや、リリースされた当初はセキュリティ情報の提供がなかったことなどが懸念点としてあるが、現在はそれらを払拭する品質でリリースされている。また、コミュニティの意見反映も行われていることから、今後のCentOSの代替のOS候補として、選定される可能性は高い。

AlmaLinuxとRocky Linuxの比較

AlmaLinuxはCloudLinux社によって開発された、オープンソースソフトウェアのLinuxディストリービューションである。AlmaLinuxはRocky Linuxよりも速く正式リリースが行われて、現在も魅力的にシェア拡大のための活動が行われている。

Rocky Linuxは、AlmaLinuxよりも遅く正式リリースされたが、徐々にミラーリポジトリやクラウドに対応していくと考えられる。つまり、Rocky Linuxは機能面や設定の方法であったり、利用可能な環境については差が無くなってくると考えられる。開発体制については、Rocky LinuxはAlmaLinuxにやや遅れを取っている。2022年5月、RHEL9のメジャーバージョンアップ後すぐにAlmaLinux9.0がリリースされたのに対し、Rocky Linux9は約2ヶ月遅れてリリースされた。しかし、Google Cloudをスポンサーに持つなど、中心的な役割を果たすのには充分と言える。

Red Hat社による公開リポジトリ停止

これまでRed Hat社は、RHEL等で利用しているOSSのソースコードをリポジトリで一般公開していた。しかし、2023年6月、このリポジトリを停止し、ソースコードの公開は契約者のみに限定することを発表した。これにより、RHELのコードを元にパッケージを作成しているクローンOSは、RHELとの互換性を維持することが難しくなった。Rocky Linuxでも今後はリリースの遅れや一対一のバイナリ互換が維持できない可能性が考えられる。

また、Red Hat社はリポジトリの停止と同時に、サブスクリプションの規約にて、ソースコードの再頒布を禁止することも発表している。これを受け、Rocky LinuxではクラウドサービスのRHELリポジトリを経由してソースコードを入手し、RHELクローンを維持していく方針を表明している。Rocky Linuxは今後、搭載されたソフトウェアやパッケージの出自を明らかにするような情報を公開していく予定であるとしている。

OpenELAプロジェクト

OpenELAとは、2023年8月10日に、Rocky LinuxのパートナーであるCIQ社とOracle社、SUSE社が創設したプロジェクトである。このプロジェクトでは、RHELと互換性のあるLinuxディストリビューションを構築するため、ソースコードを共同管理することを目的としている。実際に2023年11月、最初のソースコードが公開されている。これはCIQ社のRocky Linux、Oracle社のOracle Linux、そして今後の開発を表明しているSUSE社の新しいディストリビューションでの利用が想定される。

つまり、今後Rocky Linuxは、単一のプロジェクトの枠組みではなく、より大きなコミュニティで開発が行われることが期待される。一方で、Oracle社やSUSE社からの影響も大きく受ける可能性がある。

【カテゴリ】:OS  Linux関連技術  オープンソースソフトウェア  

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