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Mailman〜OSSのメーリングリストサーバ〜
Mailman〜OSSのメーリングリストサーバ〜
Mailmanとは、広く使われているオープンソースのメーリングリストサーバソフトウェアです。現在はMailman 2に代わって、後継のMailman 3がリリースされています。Mailmanは非常に高機能で、デージーネットが開発したMailman 3の日本語対応修正プログラムを利用すれば、日本語でも利用可能です。ここでは、Mailmanの特徴について詳しく解説します。
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目次
Mailmanとは
Mailman(Mailman, the GNU Mailing List Manager)は、OSSのメーリングリスト管理ソフトウェアです。Pythonで記述されていて、GNU General Public License 3のもとで公開されています。Mailmanは、Ubuntuやdebianなどの各種Linuxディストリビューションで採用されていて、パッケージを使って簡単に導入することができます。現在では、Mailman 2にかわり、Mailman 3が、Mailmanの新バージョンとしてリリースされています。Mailman 3はPython 3を用いて開発されており、Python 2を用いて開発されていたMailman 2から完全に書き直されほぼ別のソフトウェアとなっています。
Mailman 3
Mailman 3はMailman suiteとも呼ばれており、Mailman core、HyperKitty、Postorius(ウェブUI)等の複数のコンポーネントで構成されています。Mailman 2では実装されていなかったマルチドメインの対応や、REST APIの使用が可能となりました。Mailman 3では、データベースにRDBMSを使用します。デフォルトでは、SQLite3を使用しますが、PostgreSQLやMySQLも使用可能です。Mailmanは、ISPやメールサービスを提供する事業者などでも使われています。インストール後、ログインすると、冒頭の画面のようなメーリングリストの一覧が表示されます。
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Mailmanの特徴
Mailmanの特徴は、次の通りです。
メーリングリストごとのWebページがある
MailmanのWebインタフェースでは、メーリングリストの一覧画面から各メーリングリストごとのホーム画面を表示することができます。ホーム画面からは、メーリングリストの作成やユーザの入会・退会の操作が可能です。なお、これらはコマンドラインやREST APIからも処理することができます。そのほか、メーリングリストごとのリスト管理者の設置、会員自身によるメーリングリストへの参加・脱退などもWebインタフェースから管理することができます。
マルチドメインに対応
Mailman3では、Mailman2では実装されていなかったマルチドメインに対応しています。そのため、ドメインの異なるメーリングリストも一元管理できます。
機能が豊富
その他、Mailmanでは、以下のような充実した機能を備えています。
- 過去に投稿されたメールをアーカイブして閲覧できる
- メーリングリストにモデレータを設置できる
- メーリングリストのメールをまとめ読みする機能がある
- メールフィルタリングが可能(SPAMとマークされたメールの除去などに利用)
- 添付ファイルの自動削除が可能
- リストの作成・削除に合わせて、Postfixの設定を自動的に連携できる
このように、Mailmanは非常に高機能です。Mailmanは、Webからの管理も可能ですが、機能が多い分だけ管理も複雑になります。そのため、シンプルにメーリングリストを作りたい場合には、Sympaなどの別のソフトウェアを使った方が良い場合もあります。
「メーリングリスト管理ソフトウェア〜Sympa〜」へ
Mailmanのサポート
Mailmanは、Ubuntuなどに同梱されパッケージで提供されています。ディストリビューションに付属したパッケージを利用することで、ディストリビュータのサポートを受けることが可能です。
ただし、Mailmanは非常に機能が豊富です。そのため、設定によってはメールが届かない、特定のメールだけが配送されないなどのトラブルが発生する可能性があります。こうした場合の問題解決を、ディストリビュータから受けることはできません。そのため、自分で問題解決をする自信がない場合には、構築をベンダーに依頼するのが安心です。
各種費用についてのお問い合わせ
コンサルティング費用、設計費用、構築費用、運用費用、保守費用など、各種費用についてのお見積もりは以下のフォームよりお気軽にお問合せ下さい。
なお、RedHat Enterprise Linux 8では、Mailman 2のサポートを2024年6月で終了しており、現在はサポートを受けることはできません。また、RedHat Enterprise Linux 9では、Mailman 3を含むすべてのバージョンのMailmanを提供していません。
「OSSのおすすめメーリングリストとは?比較9選」へ
Mailmanの日本語対応
Mailmanでは、日本語での利用について、文字コードによってはメールの内容が文字化けしたり、受信できずエラーメールが返送されたりと、完全ではありませんでした。場合によっては、メールの配送やアーカイブが行われず、エラーメールの返送もされないという状態になっていました。そこでデージーネットでは、Mailman 3の日本語対応可能にするための修正プログラムを開発しました。このプログラムを利用することで、メールが文字化けしてしまったり、メールが消えてしまうという問題点を解決し、「Mailman 3」を日本語環境でも利用できるようになります。
「Mailman 3日本語対応版修正プログラム」へ
メーリングリストの管理
Mailmanのメーリングリストの管理や編集は、コマンドラインから行うことができます。次のようなコマンドが用意されています。
コマンド名 |
役割 |
list_lists |
メーリングリストの一覧を表示 |
newlist |
メーリングリストの作成 |
rmlist |
メーリングリストの削除 |
add_members |
メーリングリストへのメンバーの登録 |
list_members |
メーリングリストのメンバーの表示 |
remove_members |
メーリングリストからのメンバーの削除 |
サイト管理者は、これらのコマンドを使ってメーリングリストを管理することができます。
「Mailmanのコマンドラインによる管理」へ
また、同様の機能をWebからも利用することができます。
「MailmanのWebインタフェースによる管理」へ
Mailmanの欠点
次のようないくつかの欠点があります。
ユーザ名とメーリングリスト名の重複が防げない
システムのメールドメインをメーリングリストのドメインとしても利用している場合、メーリングリストの名称とシステムのユーザ名が重複すると、メーリングリストへの配送が優先されるため、ユーザにはメールが届きません。また、この重複を検知する方法も備えていません。
LDAPに対応していない
メールサーバの多くがLDAPに対応していますが、MailmanはLDAPに対応していません。大きな組織でメーリングリストを運用する場合、管理者がメーリングリストメンバーを追加する時に、メールユーザのメールアドレスをマニュアルでコマンドやGUIに設定する必要があり不便です。Maiman以外のLDAPに対応したメーリングリストサーバでは、アドレス帳からユーザを選択したり、ユーザ名とメーリングリスト名の重複を避ける機能を利用できるソフトウェアもあります。
コマンドラインによる設定が多い
前述の通り、メーリングリストの作成・削除・設定変更などの管理を行うためには、コマンドラインによる操作が必要です。Web画面上のインターフェースから設定することも可能ですが、メーリングリストの削除には対応していなかったり、日本語表示が文字化けするなどの問題があります。
このような欠点が問題になる場合には、別のメーリングリストソフトウェアを検討する必要があります。
「OSSのおすすめメーリングリストとは?比較9選」へ
デージーネットの取り組み
デージーネットでは、Mailmanを使ったメーリングリストサーバの構築サービスを提供しています。ただし、Mailmanは日本語対応に課題がある点や、最近ではRHEL9ですべてのバージョンのMailmanを提供しなくなったことなどから、デージーネットではSympaの利用をおすすめしています。MailmanからSympaへの移行のご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちら
デージーネットでサーバを構築した場合、導入後の保守サポートとしてOpen Smart Assistanceを利用することができます。Open Smart Assistanceでは、使い方などに関するQ&A、障害発生時の障害調査、セキュリティ情報の提供など、ソフトウェア単独ではなくシステム全体に対するサポートを提供しています。例えば、以前に弊社が構築したサーバで、特定のメールがメーリングリストに配送されないという障害が発生しました。調査したところ、メーリングリストのSPAM対策機能に抵触していることが分かったため、デージーネットから設定の変更を提案して問題を解決しました。Open Smart Assistanceでは、このような障害に対しても迅速に対応するため、安心してシステムを使い続けることが可能です。
なお、「Mailman 3調査報告書」では、管理インターフェースの紹介やインストール手順などの詳細について記載しています。調査報告書は以下より無料でダウンロード可能です。
Mailman 3の無料資料をダウンロードする
OSSのMailman「構築事例/情報の一覧」
Mailman 3は、Free Software Foundationが開発を行っているメーリングリスト管理ソフトウェアです。本書はMailman 3の調査報告書です。インストール方法やMailman 2との違いについて掲載しています。
Sympaとは1990年代に開発が開始されたメーリングリストソフトウェアです。基本的なメーリングリストの機能に加えて、マルチドメイン対応、投稿の保管庫、各種カスタマイズ機能があります。本書は、Sympaについて調査した内容をまとめたものです。
以前より利用していたMailman 2を使ったメーリングリストサーバのIPアドレスが汚染、ブラックリストに登録されてしまったため更改を検討していました。以前利用していた際にカスタマイズしていた内容や、利用者等の情報をそのまま移行し、以前と同様に利用できるメーリングリストサーバを構築しました。
Mailmanを利用して、多数のメーリングリストを管理するメーリングリストサーバを構築しました。4台のサーバを使って、サーバの冗長性と拡張性を確保した構成で導入を行いました。
メーリングリストは、登録されたメールアドレスにメールを一斉配布するための仕組みです。用途は様々で、メルマガの配信のように組織外へのメール配送で利用する場合もあれば、社内の部署やプロジェクトメンバー間での情報交換で利用する場合もあります。それぞれの利用シーンによって、必要となる機能も違ってきます。ここでは、主な選定のポイントについて解説します。
Sympa(シンパ)とは、1990年代に開発が開始された、メーリングリストを管理するためのソフトウェアです。OSSのメーリングリストとして長らく主流だったMailman 2の開発が終了したこともあり、比較的最近になって広く使用されるようになり、多くの研究機関、大学、企業で採用されています。
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操作方法や操作性をデモにてご確認いただけます。使い方のイメージを把握したい、使えるか判断したい場合にご活用下さい。デモをご希望の方は、下記よりお申込みいただけます。
OSS情報「Mailman」
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- ここでは、CentOS7の場合を例に、インストール方法について紹介します。