システム構築

構築事例:Nextcloudでセキュリティ要件を解決したファイル共有システム構築

Open Smart Design

お客様は、以前利用していたファイル共有サービスが終了したことを受け、一時的にNextcloudを利用していました。しかし、Nextcloudだけでは独自のセキュリティ要件やファイル管理を実現することができないため、組織の運用方針に適したファイル共有システムの導入をお考えでした。

お客様が悩まれていた課題
社内外ファイル共有システムとして利用していたサービスが終了し、乗り換え先システムの選定に困っている
ファイル共有先のユーザをグループ化して管理したいが、管理が難しい
組織のセキュリティポリシーに合わせた認証を実装できていない
+導入企業プロフィール
導入企業業種

研究機関

都道府県

東京都

ユーザー規模

300名

利用OS

Almalinux 9

導入月

2026年3月

デージーネットが提案した「Nextcloudでセキュリティ要件を解決したファイル共有システム構築」

アイコン男性

解決ポイント

セキュリティ要件に合わせ、OSSを組み合わせてアカウントロックを実装

お客様はそれまで、社内・社外用のファイル共有にAmazon WorkDocsを利用していました。しかし、Amazon WorkDocsは2025年4月をもってサービスが終了してしまったため、一時的な乗り換え先として、OSSのファイル共有システム「Nextcloud」を利用していました。

ファイル共有画面

Nextcloudのファイル共有画面

お客様は、Nextcloudの通常のアカウント認証や2要素認証に加えて、アカウントロックを実装したいと考えていました。Nextcloudには、送信元IPアドレス毎に一定期間ログインを停止する機能はありますが、ユーザアカウントのログイン試行回数を条件としてログインを防ぐ仕組みがありません。そのため、単純にNextcloudだけを使ったシステムではアカウントロックを実装することは困難でした。

そこで弊社からは、以下2つの方法をご提案して、アカウントロックを実現しました。

  1. NextcloudとLDAPサーバを連携させて認証処理を行う
  2. Nextcloudへのログイン失敗のログを監視し、一定条件を満たした場合にLDAP情報を無効化

1つ目の方法では、NextcloudとLDAPサーバのOSS「389 Directory Server」を連携するようにしました。また2つ目のLDAP情報の無効化を行う方法としては、Linuxシステムの不正アクセスを検知して防御を行うためのOSS「fail2ban」の、ログ監視をトリガーとして任意のプログラムを実行できるという特徴を利用しました。

ファイル共有システム構成図

グループごとに管理者を設置できる仕組みを提案

グループの作成やフォルダ共有の設定をシステム管理者に一任した場合、管理者の負担が増大してしまいます。そのため、単に共有ストレージを使う取引先をグループ化するだけではなく、グループごとに管理者を設定してメンバーや共有設定を委譲し、複数の管理者が管理する仕組みをご提案しました。

Nextcloudの標準機能では管理者がグループを管理することしかできないため、これを実現するためには、プラグインを導入するか、独自の方式を実装するしかありませんでした。今回、ユーザ管理や認証の仕組みとの相性でプラグインの方式が採用できなかったため、デージーネットが設計を行い、独自に実装しました。

導入にあたっての工夫

導入にあたって、次のような点を工夫しました。

利用開始後のイメージがしやすいように説明

今回のシステムは、単純なNextcloudだけでなく、fail2banやLDAP(389ds)との連携が含まれました。特に、Nextcloudのユーザ・グループをLDAPで管理するために専用のWEB UIを開発したこともあり、ユーザやグループ作成からファイル共有の利用までのワークフローが複雑化し、認識の齟齬が発生することが予想されました。そのため、設計フェーズから利用パターンごとのフロー図・モックアップを作成し、お客様と認識を合わせました。実際の管理・利用のイメージの認識を一致させることで、構築・開発・導入を比較的スムーズに進めることができました。

導入後の結果

アイコン女性

Nextcloudと389 Directory Server、fail2banを連携したことで、Nextcloud単体では実現できなかったアカウントロックを実現することができました。これにより、総あたり攻撃などに対する防御性能に優れたオンラインストレージを導入することができました。また、ユーザ・グループの管理権限や、Nextcloudのファイル・フォルダの共有権限を、複数の管理者に分離・委譲する仕組みにより、システム管理者の日々の管理業務を分担することが可能になりました。特に、共有を許可されたユーザが比較的自由に共有を設定できるため、オンラインストレージの利用が必要になった場合にスピード感のある対応ができるようになりました。

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