構築事例：庁内用Web会議とチャットシステムの導入

Open Smart Design

今回は、関西の市役所のお客様へ、テレワークのソリューションを提供しました。Web会議システムの「Jitsi」とチャットシステム「Rocket.Chat」を連携させ導入した事例です。お客様は、既にWeb会議では別のシステムを利用されていましたが、コスト削減の対策や運用面での効率化のため、新しいシステムへの変更を検討されていました。

お客様が悩まれていた課題: 庁内LANで使用するWeb会議システムを既に使用していたが、ライセンスコストが気になる; 使用しているWeb会議システムは同時5人までの使用しかできず、機能面で制約がある; クラウドのシステムはセキュリティ面で不安

+導入企業プロフィール: ★
導入企業業種

官公庁・自治体

ユーザー規模

約500人

利用OS

Ubuntu20

導入月

2021年3月

デージーネットが提案した「庁内用Web会議とチャットシステムの導入」

アイコン男性

オンプレミス環境で構築できるWeb会議システムJitsiとチャットシステムRocket.Chatを連携

庁内LAN内で使用できるWeb会議システムをご提案

新型コロナウイルスの流行で大人数での打ち合わせをすることが難しくなりました。そこで庁内LANで打ち合わせをする際に使用するWeb会議のツールとして、既に豊田市役所様でもJitsiを導入させて頂いた事例を説明し、実際の利用方法をご説明しました。Jitsiは、オープンソースのWeb会議システムです。ウェブブラウザからURLをクリックするだけで接続でき、専用ソフトウェアのインストールやアカウントの登録も必要ありません。音声や映像を共有しながらオンラインで会議や研修を簡単に開催できる他、PCのデスクトップ画面の共有や会議室内でチャットも行うことができます。そしてオンプレミスのサーバ上に構築が可能なシステムのため、今回の事例のような、インターネット上に情報をおくことができない地方自治体、行政などの官公庁や企業での利用に向いています。

以前のテレビ会議システムとは違い、専用の機器や特別な周辺機器ももちろん不要です。同時利用が60名程度まで対応でき、さらに使用時間の制限やライセンスコストは不要というメリットもあります。お客様が実現したい機能や、インターネットを経由せず庁内のみで各拠点間で完結したいという、相談いただいていた要望を網羅していました。

上記のWeb会議システムと連携するチャットシステムをご提案

コミュニケーションのツールとして、チャットシステムもご検討されていたので、Web会議システムJitsiと連携できるOSSのRocket.Chatを提案しました。Rocket.Chatはビジネスチャットに特化したシンプルなチャットシステムで、社員同士の個人での会話やグループでの会話など、用途に合わせて好きなようにトークルームを作成することができます。メリットとしてOSSのためユーザ数を気にせず、職員の多い市役所のような大きな規模であっても利用することができます。また、スマートフォン等の端末からでもログインができるため、移動中などオフィスを離れている場面でも情報共有が可能です。市役所で想定される利用人数の規模をヒアリングし、その条件に合わせた構成で提案をおこないました。

Rocket.ChatはActive Directoryと連携させる

Rocket.ChatはLDAP ServerやActive Directoryなどの外部のシステムと連携してユーザ管理を行うことができます。複数のパスワードやアクセス権などを一元管理することで管理者の業務効率化にも繋がります。新しいシステムの導入時、ユーザの統合管理は重要視されるポイントです。今回は、認証をActive Directoryに任せることで庁内のアカウントを統一して管理できるようにしました。将来的にはシングルサインオンを導入し、WindowsログインをしたらRocket.Chatに自動的にログインできるようにシステム構成を工夫し、利便性の向上に努めました。

システム構築にあたっての工夫

上記をお客様に提案し、システムを提供するにあたって構築の際には以下を工夫しました。

社内で検証環境を作り、設計や構築準備を進めた

今回は、設計の段階で社内の仮想基盤に、検証機を作成しました。Active Directoryサーバも構築して、現場で想定されるシーンを確認し、実際に連携ができるのかを含めて設計の時点で入念に検証を行いました。

迷いなく実行できる詳細な手順を準備

お客様が市役所でしたので、弊社から遠隔でお客様のシステムにログインすることができず、現地でしか構築とテスト作業ができませんでした。現地で何かトラブルが起きるリスクもあるため、事前に実行するコマンドレベルに落とし込んだ操作の作業手順を準備して、構築・設置作業に挑みました。この作業をしたことによって、現地でも効率よく円滑に構築作業をすすめることができ、時間を大幅に削減することができました。

導入後の結果

アイコン女性

Web会議システムとして必要な基本機能は揃っており、庁内の業務における働き方改革に貢献するツールの1つとして重宝しています。使い方として40～50人規模の会議も行うことができました。有線接続の庁内LAN内での利用のため通信遅延や映像の乱れも少なく、庁内全体で快適な会議が実施できています。また、チャットシステムとも連携させたため、チャットシステムで作成したグループ全員をWeb会議室へ招待できるなどスムーズな連絡がとれるようになりました。

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