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Rocket.Chat〜オンプレ用のチャット〜
Rocket.Chat〜オンプレ用のチャット〜
現在、働き方改革の推進やテレワークの普及により、会社内の連絡などに従来のメールや電話というコミュニケーションツールではなく、「チャット」を利用する場合が多くなっています。ここでは、オンプレミス環境にシンプルなチャットシステムを構築できるOSS「Rocket.Chat」のメリットやシステム構成のほか、バージョン6.0から変更となった機能についても紹介します。
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目次
Rocket.Chatとは
ビジネスチャット「Rocket.Chat」イメージ画像
Rocket.Chatとは、OSSのビジネスチャットのソフトウェアです。企業内のオンプレミス環境にシンプルなチャットシステムを構築できることから、クラウドサービスのビジネスチャットとしてよく使用されているSlackの代替としても注目されています。Rocket.Chatを使うことで、近くにいる人はもちろん、本社と支社間、在宅勤務者、顧客先や移動中の社員、企業間など、遠隔地にいる人ともチャットでリアルタイムにやり取りすることができます。働き方改革やテレワークの導入で取りづらくなったコミュニケーションを活性化することで、生産性の向上も期待できます。
なお、Rocket.Chatは、OSSとして公開されているコミュニティ版と、有償のEnterprise版のどちらかを選択することができます。コミュニティ版はユーザ数に関係なく無償で利用できますが、Rocket.Chatバージョン6以降では、同時接続ユーザ数が200名を超えるとユーザの在籍表示ができなくなるといった一部の機能制限が導入されています。
Rocket.Chatの無料資料をダウンロードする
ビジネスチャットのOSS〜Rocket.Chatのメリット〜
Rocket.Chatを利用するメリットには、以下のようなものがあります。
- オンプレミス環境にシステムを構築できる
- シンプルなチャットシステムを構築できる
- シチュエーションに応じた運用ができる
- ウェブブラウザやスマートフォンのアプリから利用できる
- スムーズに導入できる
- API連携も可能
Rocket.Chatのメリット①:オンプレミス環境にシステムを構築できる
Rocket.Chatの大きなメリットの一つは、オンプレミス環境にチャットシステムを構築できることです。そのため、情報漏洩の心配が少なくなり、安心して使えるチャットシステムを提供できます。
近年、チャットをビジネスで利用することが増え、クラウド型のチャットサービスを提供している業者も増えています。一方、ビジネスでのチャットでは、機密情報や個人情報等を投稿することもあり、インターネット上のサービスを利用する場合には情報漏洩が危惧されます。セキュリティの観点から外部に情報を持ち出すことやインターネットへのアクセスが制限されている場合には、クラウド型ビジネスチャットツールを利用することが難しいこともあります。そのため、ビジネスでチャットを利用する場合は、オンプレミス環境にチャットシステムを構築するとセキュリティ的にも安心です。
なお、Rocket.Chatの他、OSSのビジネスチャットシステムであるZulipやMattermostもオンプレミス環境で利用することが可能です。デージーネットでは、これらのOSSのビジネスチャットを使用したシステム構築を行っておりますので、詳しくはお問合せください。
無料見積・問合せはこちら
Rocket.Chatのメリット②:シンプルなチャットシステムが構築できる
Rocket.Chatを利用すると、ビジネスチャットに特化したシンプルなチャットシステムを構築できます。現在、多くのチャットサービスでは、あまりビジネスでのチャットシステムとしては使わない機能が実装されており、そこに余計なコストが発生する場合があります。
Rocket.Chatを使って構築するチャットシステムは、ビジネスでのコミュニケーションツールとして必要な機能を備えつつも、無駄のないシンプルなシステムです。Rocket.Chatは、シンプルではありますが、基本的なチャットの機能だけでなく、メッセージの履歴を検索、引用、ファイルの添付、いいね機能など、必要な機能は網羅されています。その他にもメンションをつけての返信によるポップアップ通知や、チャンネル送信によるスレッド展開、リンク先の自動プレビューやアイコン画像の変更も可能です。OSSで既存のソフトウェアのため、コストを抑えてチャットシステムを構築できます。
「Rocket.Chatの便利機能」へ
Rocket.Chatのメリット③:シチュエーションに応じた運用ができる
Rocket.Chatには、次のような3種類のチャットルームがあるため用途に合わせて様々な場面で利用できます。
これら3種類のルームやグループのメンバーの追加・削除は、いずれも利用者が必要に応じて簡単に作成できます。3種類とシンプルではありますが、ルームを使い分けることでRocket.Chatの活用の幅が広がります。また、各ルームにてより詳細な内容について話題に挙げる場合などは、ディスカッションの機能により更にルームを分けて設定することも可能です。
詳しいユーザマニュアルはこちらをご参照下さい。
「メッセージの作成・装飾や改行方法など」へ
「チャンネルについて」へ
Rocket.Chatのメリット④:ウェブブラウザやスマートフォンのアプリから利用できる
Rocket.Chatでは、外出中でも、重要なチャットのやり取りを見逃すことはありません。スマートフォンなどの端末からでもRocket.Chatにログインすることができ、チャットルームの会話を確認、返信できます。そのため、出張中や外出中にもシステムにアクセスし、気になるやり取りの内容を確認できます。また、OAuth認証を付けることで、Twitter、FacebookなどのSNSと連携することもできます。この点もRocket.Chatの大きなメリットの1つです。
ただし、2023年10月1日以降、Rocket.Chatのコミュニティ版でデスクトップアプリやモバイルアプリを使うには、バージョン6以上にアップデートを行う必要があるため注意が必要です。
スマホのアプリ ログイン画面とチャットルーム画面
Rocket.Chatの標準的なスマートフォンのアプリでは、通知の回数に制限があります。デージーネットでは、必要に応じて制限を回避する方法を提案しています。
Rocket.Chatのメリット⑤:スムーズに導入できる
Rocket.Chatは、Linuxサーバ上にインストールすれば、すぐにチャットを始めることができます。多言語対応のため、導入後すぐに実運用を開始できます。Rocket.ChatはSlackと同じように作られているため、操作や設定、新しいアカウントの作成も非常にシンプルです。チャンネルやユーザも一覧で表示されるため、会話を始めたい相手のユーザも検索窓から簡単に検索することができます。
Rocket.Chatのメリット⑥:外部サービスとの連携も可能
Rocket.Chatでは、一般的なチャットの使い方だけではなくRESTベースのAPIを利用することができます。このAPIを使うことで、様々な機能を開発し、自動的に情報を登録したり、登録された情報を自動取得して何らかの処理を実行するなどのカスタマイズができます。
活用の方法は様々です。例えば、FAXが着信したら自動的に指定されたRocket.Chat上のチャットルームにそれを転載して公開するようにしたり、Webからの問い合わせを指定されたチャットルームに自動登録したりすることができます。また、Rocket.Chat上で命令を行い外部のプログラムを起動したりという使い方もできます。チャットボットとしての利用も可能です。
その他に以下に代表される、様々な外部サービスとの連携を行うことができます。
Jitsi(Web会議)
Rocket.ChatをJitsiと連携するために、マーケットプレイスからJitsiアプリのダウンロードをし、設定を行うことでJitsiをつかったWeb会議を行うことが可能です。連携を行うと、Rockt.Chatのトークルームにビデオ会議に参加できるボタンが表示されます。これをクリックするだけで、チャットからすぐ音声通話に切り替えることができます。
Jitsiの詳細情報へ
Slack(チャットボット)
Rocket.ChatのSlackBridge機能を利用することで、Slackの会話をRocket.Chatに取り込んだり、その逆を行うことができます。Slackにボットユーザを作成し、ボットのユーザをRocket.Chatと連携したいチャンネルに追加します。
Nextcloud(オンラインストレージ)
オンラインストレージのNextcloudの外部サイトを組込むプラグインを利用することで、Rocket.Chatをオンラインストレージ上に取り込むことができます。シングルサインオンができるため、チャットシステムに再度ログインする必要がなくなり、Nextcloudをグルーウェアとして利用することができます。
Nextcloudの詳細情報へ
ntfy(プッシュ通知)
Rocket.Chatのスマホアプリにntfyを連携させることで、スマホにRocket.Chatの通知を送付することが可能になります。もともとRocket.Chatのアプリにはプッシュ通知の機能がありますが、月10000件の制限がありました。それを回避することができるようになります。またAndroidであれば、閉鎖環境でスマホへのプッシュ通知も可能になります。今現在ではiOSでの閉鎖環境でのプッシュ通知の実装はできません。
ntfyの詳細情報へ
BigBlueButton(Web会議)
詳しいユーザマニュアルは以下のリンクをご参照下さい。
「外部連携機能」へ
システム構成
Rocket.Chat Serverは、画像のようなシンプルなシステム構成で、Linux上で動作します。ユーザ用WebUIと管理者用WebUIがあります。管理者はWebUIから各ユーザーの権限設定やサービス連携、ログ表示、各種機能のデータの管理などを行えます。
また、バックエンドのデータベースとしてMongoDBを利用します。LDAP ServerやActiveDirectoryなどの外部のシステムと連携してユーザ管理を行うこともできます。LDAPサーバと連携することで、Rocket.Chatシステムにアカウントが作成され、ログインすることができるようになり、新しくユーザを登録することがなくなりスムーズに導入できます。
インストール
単純にRocket.Chatを設定してみたい場合には、Github上のプロジェクトサイトからソースコードをダウンロードして使用することができます。また、RedHat Enterprise LinuxなどのLinuxOSでは、EPEL上にあるパッケージを利用してインストールすることができます。Rocket.Chatの動作にはMongoDBが必要ですので、併せて設定を行う必要があります。
なお、Web会議システムとの連携を行う場合には、別にJitsiをインストールする必要があります。
「Rocket.Chatのインストール」へ
Rocket.Chatバージョン6における比較
Rocket.Chatは、バージョン6.0からコミュニティ版で利用できる機能に変更がありました。これにより、利用できるアプリの最大数や、ステータス表示の制限などが変更となっています。ここでは、コミュニティ版とEnterprise版の機能を比較します。
|
コミュニティ版 |
Enterprise版 |
プッシュ通知 |
月に10,000件まで |
制限無し |
ワークスペースアプリ |
5つまで |
制限無し |
プライベートアプリ |
3つまで |
制限無し |
ゲストユーザ機能 |
なし |
あり |
既読機能 |
なし |
あり |
カスタムロールの利用 |
不可 |
可能 |
オムニチャネルの利用 |
部署数1つまで登録可能 |
制限無し |
プレゼンス機能(ステータス表示) |
同時接続数200人まで |
制限無し |
マイクロサービスのスケーリング |
不可 |
可能 |
複数インスタンスのスケーリング |
「user01 が入力中...」などの 一時的なイベントが失われる |
制限無し |
なお、デージーネットでは、Rocket.Chat バージョン6.0についても調査を行い、調査報告書にてインストール方法や使い方、詳しい機能を解説しています。調査報告書は無料でダウンロードすることが可能です。
「Rocket.Chat調査報告書 2.00版」を無料ダウンロードする
他のビジネスチャットとの比較
デージーネットでは、Rocket.Chat以外のOSSのビジネスチャットツールであるMattermostとZulipの3つのソフトウェアについて性能検証を行いました。その結果が以下になります。
このように、Rocket.Chatのコミュニティ版では、他の2つのビジネスチャットに比べると数値が劣っています。そのため、利用人数が多い場合は、他のソフトウェアを利用することや、Rocket.Chatの有償版を利用することをおすすめしています。
Mattermostの詳細情報へ
Zulipの詳細情報へ
デージーネットの取り組み
デージーネットでは、Rocket.Chatを利用したチャットシステムをオンプレミス環境に構築した実績や、Rocket.Chatの性能改善のためのコンサルティングなどを行った実績があります。自治体やユーザ数の多い大規模な組織での導入実績もあり、その実績を踏まえて、安全で便利なチャットシステムを規模に合わせて最適な構成で提案しています。
また、Rocket.Chatのバージョン6より機能の制限が追加されたことを受け、新たにZulipというOSSのチャットシステムについても調査を行いました。デージーネットでは、Rocket.Chatの他に、ZulipやMattermostを比較検討し、お客様のご要望に合わせたビジネスチャットシステムをご提供します。既存のチャットシステムからの移行のご相談も受け付けておりますので、詳しくはお問い合わせください。
Zulipの無料資料をダウンロードする
なお、デージーネットで構築したチャットシステムは導入後支援(Open Smart Assistance)を受けることができます。このサービスでは、使い方から運用方法まで、幅広い範囲でのQ&Aや、セキュリティの情報提供、障害調査など、安心して利用して頂けるよう管理者の業務をサポートします。
お問い合わせはこちら
デモのお申込み
もっと使い方が知りたい方へ
操作方法や操作性をデモにてご確認いただけます。使い方のイメージを把握したい、使えるか判断したい場合にご活用下さい。デモをご希望の方は、下記よりお申込みいただけます。
OSS情報
- 便利機能
- ここでは、実運用時に役立つ便利な使い方を紹介します。
- 会話ログ機能
- ここでは、管理者が専用のWEBページから、チャット利用者の投稿を確認できる「会話ログ機能」について紹介します。
- インストール方法
- ここでは、チャット機能をCentOS7へインストールする方法について紹介します。
「構築事例/情報の一覧」
調査報告書
Rocket.Chatのインストール方法や基本的な使用方法、メリットを調査した結果をまとめたものです。
Rocket.Chatでは、プライベートな独自環境にチャットシステムを構築できます。本書はRocket.Chatの外部連携について調査し、外部システムとどのような連携ができるのか検証を行った調査報告書です。
構築事例
ビジネスチャットシステムをKubernetesを活用してコンテナ化し導入した事例です。お客様は、これまで社内でRocket.Chatを利用していましたがユーザ数が多く、複数台の負荷分散が必要なためコンテナ化を検討していました。そこでKubernetesを活用し、Rocket.Chatのコンテナ化とRocket.Chatの会話ログシステムを構築しました。
社内の技術者が、気軽に社内の他の技術者や技術サポート部門に相談できるようにするために、OSSのビジネスチャットRocket.Chatを導入しました。ビジネスチャットシステムの導入によって、それまでのメールでの相談よりも、気軽に発信ができるようになりました。
海外のオフショア会社とのコミュニケーションがとれるツールが欲しいとのことで、ビジネスチャットシステムのRocket.Chatを導入しました。そして文字でのチャットだけではなく音声通話やデスクトップ画面の共有も行いたいとのことで、ビデオ会議システムのJitsiの連携も提案しました。
関西の市役所のお客様へWeb会議システムの「Jitsi」とチャットシステム「Rocket.Chat」を連携させ導入しました。お客様は、既にWeb会議では別のツールを利用されていましたが、コストや運用面で新しいツールを検討されていました。
その他の関連ページ
お客様自身でRocket.Chatのサーバを構築しましたが、Rocket.ChatサーバのCPU負荷が上がってしまい、接続ができない状況が時々発生していました。そのためデージーネットで改善提案とその手順を提示するためのコンサルを行いました。
Mattermostとは、オープンソースソフトウェアのビジネスチャットツールです。社内でコミュニケーションをとるために1対1およびグループ間のメッセージ交換やワークフロー管理、プロジェクトのタスク管理を行うことができます。
Zulipとは、オープンソースソフトウェアの多機能なチャットシステムです。離れた場所のユーザとリアルタイムに文字で会話することができます。ここでは、Zulipの特徴や機能を紹介いたします。
Jitsiとは、オープンソースソフトウェアのWeb会議システムです。ウェブブラウザを使用して、遠隔にいる人とWeb会議を行うことができます。
BigBlueButtonとは、OSSのWeb会議システムです。ウェブブラウザを使用して、遠隔の利用者とWeb会議を行うことができます。ここでは特徴や機能について紹介いたします。
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