オープンソース

DRBD〜ネットワークミラーリング用ソフト〜

DRBDの概要

キャラクター:クラー

DRBD(Distributed Replicated Block Device)は、クラスタシステムでデータ共有を行うために使われるネットワークミラーリング用のソフトウェアです。Philipp Reisner氏が開発し、現在はオーストリアのLinbit社が開発、サポートを行っているオープンソースソフトウェアです。DRBDは、デバイスドライバとして提供され、Linuxカーネル 2.6.33以降からカーネルソースコードに統合されています。

DRBDは、クラスタノード間で、ネットワーク経由でディスクのミラーリングを行うことができるだけでなく、HAクラスタで利用するために必要な仕組みを備えています。

DRBDはオーストリアLINBIT社の各国における登録商標または商標です。

リアルタイムデータ同期

DRBDは、カーネル内のファイルシステムとハードディスクドライバの間で動作します。アプリケーションがファイルシステムにデータを書き込んだり変更したりすると、そのデータはローカルなハードディスクへ書き込まれるのと同時に、別のノードへ送られ、そちらでも書き込まれます。この仕組みによって、リアルタイムにデータ同期が行われます。

図:リアルタイムデータ同期

シェアードナッシング

共有ストレージを使ったクラスタの構成では、データまで二重化することができません。つまり、「データ」が単一障害点となってしまいます。

しかし、DRBDは、2台のサーバでデータをミラーリングするため、データまでを完全に二重化することができます。これは、シェアードナッシングと呼ばれ、DRBDを採用する最も大きな理由の一つです。

ディスク同期機能

キャラクター:スター

片側のノードが停止していたりすると、リアルタイムな同期を行うことができません。そのため、ノードを起動した後で、データを強制的に同期する必要があります。DRBDでは、この同期方法として、差分同期と全同期の2種類をサポートしています。

差分同期は、既に持っているデータとの差分だけを交換する方法です。データの変更が少ない場合には、差分同期を使うことで、高速に同期処理を行うことができます。一方、データの変更が多い場合には、すべてのデータをコピーすることもできます。

同期を効率よく行うことができるのも、DRBDの特徴であると言えます。

排他制御機能

DRBDによるデータの同期は、ノード間で双方向に行うことができます。そのため、DRBDを利用する場合でも、共有ハードディスクの場合と同様に、同時利用によるデータ破壊のリスクを考慮する必要があります。

DRBDは、この問題を考慮して、安全に利用するための排他制御の仕組みを持っています。DRBDでは、共有ディスク領域でデータを使えるノードをプライマリノードと呼びます。また、データのミラーを持っていても、データを使えないノードをセカンダリノードと呼びます。一度に、一つのノードしかプライマリノードにできないため、完全にデータを保護することができます。

なお、DRBDでは、この排他制御機能を停止し、2台のノードをマスタサーバにすることもできます。この機能を使う場合には、OCFS2、GFSなどの特殊なファイルシステムを利用する必要があります。

OSSのクラスタソフトウェア DRBD「構築事例/情報の一覧」

PostgreSQLサーバ冗長化構築事例

PostgreSQLサーバ冗長化の画像

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DHCPサーバ冗長化(IPv6対応)構築事例

DHCPサーバ冗長化の画像

エンドユーザ向けにIPv6のIPアドレスの払い出しをしていくため、IPv6対応のDHCPサーバ構築の依頼をされました。重要なサービスのため、冗長化したDHCPサーバとして提供しました。

NFSサーバ冗長化構築事例

NFSサーバ冗長化の画像

WWW上の情報検索サービスのために、複数台のサーバでコンテンツを共有し、サービスを安定稼動させたいというご要望がありました。デージーネットのクラスタリング技術を応用し、HAクラスタ化したNFSサーバを構築しました。

CloudStackによるプライベートクラウド構築事例

CloudStackによるプライベートクラウドの画像

ソフトウェアの動作検証や開発を行うためのプライベートクラウド環境をCloudStackで構築しました。CloudStackでは、ユーザやグループごとにリソースを管理することができ、作成できる仮想サーバ数をユーザ、グループごとに制限することができるようになりました。

KVMによるプライベートクラウド(クラスタ)構築事例

KVMによるプライベートクラウドの画像

KVMを使用したプライベートクラウドを構築しました。システム停止を行なうことができないサーバを仮想化する必要があるため、HAクラスタの導入によりシステムを冗長化しました。

LDAPサーバ冗長化構築事例

LDAPサーバ冗長化の画像

LDAPサーバをサービス無停止で提供するため、PacemakerとDRBDを利用したHAクラスタでLDAPサーバを構築しました。

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一押しOSS情報「クラスタのOSS」

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corosync〜OSSのクラスタ管理ソフト〜
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DRBD
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クラスタシステムとデータ共有
クラスタシステムを設計する時にはデータの共有をどのように行うか。これはとても悩ましい問題です。ここではクラスタシステムで良く利用されるファイル共有方法について紹介します。
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